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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第6章

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116回 時間をかけてゆっくりと

「子供にってどういう事だ?」

「言った通りだ。

 ずっと先の事になるが、子供達に村の発展は任せようかと思う」

「つまり……?」

「人は雇わない。

 新たな住人も入れない。

 ここは俺達だけで発展させる」

 そう言ってタカヒロは周りを見渡した。

「時間はかかるけどな」

と付け加えて。



「この村はもともとそんなに大きくはない。

 田畑もあるけど、そんなに大きくは無い。

 荒れてるのを元に戻しても、そんなに収穫は期待出来ないだろう」

「そりゃそうだな」

 それは誰もが感じてる事である。

 義勇兵の大半は農民出身が多いので、田畑の善し悪しなども多少は分かる者が多い。

 もっとも、農民は全人口の8割から9割に及ぶので、これは当然である。

「こんな所に人を呼び込んでも、すぐにあふれるようになる。

 雇っておくならそれなりの金を払わなくちゃならないし。

 そこまでやる余裕はないだろ」

「まあなあ」

「無理だな」

「だから、それは諦める。

 俺達の代ではな」

「それで、子供達に?」

「ああ。

 お前らも嫁をもらうつもりなんだろ?

 奴隷であっても」

「まあね」

「そりゃあもちろん」

「大将がそうしてるしね」

「……俺がミオを買ってきたのは、嫁にするのが目的じゃないんだが」

 話が脱線するのは分かっていても、訂正せずにはおれなかった。

 そして、それを聞いた連中は、途端ににやけた顔をしていく。

「ミオって名前呼び捨てだぜ」

「そういう関係なんだよなあ」

「大将もついに……」

 いつもの事であるが、タカヒロをからかう機会を仲間は逃しはしない。

 ここぞとばかりにミオとの事をからかっていく。

「…………お前ら、良い度胸だな」

 持ち込んでいた武器であるスコップをちらつかせる。

 締まりのない話だが、いまだにタカヒロのスコップ技術は高レベルにある。

 この中にあって、それと比肩する程の戦闘技術を持つ者は多くはない。

 同等のレベルにある者達であっても、決して気が抜けない程の技量である。

 そんなタカヒロに逆らう者はいない。

「すんません」

「ごめんなさい」

「どうぞ、お話を進めてください」

 即座に低姿勢になって、タカヒロの寛恕を乞う。

「後で憶えてろよ」

 そう言ってタカヒロは、矛ならぬスコップをおさめた。

 とりあえずは。



「それでだ。

 どうせ子供も生まれるだろうし、人数そのものはそれで増える。

 15年もすれが立派な大人だ」

 この世界の成人は、おおむね15歳となっている。

 事情により多少は前後するが、だいたいこのあたりで成人とみなされる。

「そうなりゃ、人手も大量に出てくるだろうさ。

 それまでは今の状態を保つ程度にがんばってみようと思う」

「なるほど」

「でも、それだと色々と進まないんじゃないですか。

 畑の手入れとかも無理だし」

「そりゃそうだ。

 無理に決まってる」

 否定する事無くタカヒロは認めた。

「正直、ここを俺達だけでこれ以上にするのは無理だろう。

 どうしたって人手が足りない。

 けど、無理してでも発展させたいか?」

 あらためてそれを問うていく。

「人を入れれば多少は楽になるだろうけど、それが元でもめ事が増えたら意味がない。

 それじゃ発展させる意味が無い。

 だから、ここは俺達だけでどうにかしようと思う。

 何代もかけてね」

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