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【完結】異世界転生してモンスターを倒してそこそこ成功したので故郷に帰ったら、幼なじみを奴隷として買う事になった  作者: よぎそーと
第6章

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105回 愛だの恋だの言ってるような余裕は無い

「でも、こうなるとやっぱり奴隷を買ってきた方がいいのかな」

「だよな。

 俺達でも手に入れられるのっていったら、それしかないしな」

 そんな声もあがってくる。

 前々から言われていた事だし、繰り返されても今更ではある。

 だが、タカヒロがとうとう身を固めるに至り、やはりこれしかないのかと思い始めてる者が出てくる。

 それもどうかとタカヒロは思うが、他に手段がないのも確かである。

 義勇兵で居続ける限り、嫁をもらう手段などほとんどない。

 この村の田畑を復活させ、農家として再出発すれば話は違うのだが、これらは目処が全く立ってない。

 今のところ他の者達が女とくっつく手段は、奴隷として購入するくらいしかない。

 もうどうしようもない事であろう。

 是非を問うより先に、現実問題として考えねばならない。

 何より奴隷を手籠めにしたタカヒロは、もう彼等を止める理由をもたなかった。

 これも道の一つと割り切るしかなかった。



 ただ、だからこそ最低限守らせなければならない事もある。

 奴隷を買うのはどうしようもないとして、その扱いは丁寧である事。

 これだけは絶対に遵守させる事にした。

 でなければ奴隷を買わせない。

 買った後に何かすれば、集団から追放する。

 どれだけ効果があるかは分からないが、何をして追放したのかを周旋屋を通して周知もする。

 奴隷を虐待しても、それは所有者の自由という風潮はある。

 だが、まがりなりにも人間である。

 これを嬲るような者とまともな人間は接触しようとは思わない。

 社会の裏側の人間ならどうなのか分からないが、表だって活動する事が困難にはなるだろう。

 そうなりたくなければ、最低限の世話をしろと言い含めていった。

 まるでペットの扱いのようだが、本質的にはさほど違いはない。

 人間だって動物である。

 生命体という意味では何ら差があるわけではない。

 これを所有するのだから、どうしたって何かしら似通うところが出て来る。

 命を大事に、尊厳も含めて丁重に扱え────ここに動物と人間で変わるところがない。



 ましてや、身の回りの世話をさせるのだ。

 そのうち(というか、早晩にでも)夜の相手もさせるつもりであろう。

 そういう相手を丁寧に扱えないような奴と、同じ集団として活動する事など出来るとは思えなかった。

 奴隷の購入によって、今まで見えなかった本性があらわれるかもしれない。

 今まで一緒に活動していて問題無くつきあえてた者でも、これからどうなるかは分からない。

 奴隷…………弱い立場の者をどう扱うかで決まっていく。



 ただ、それならば事前に注意をせずにおいても良かった。

 本性を見極めるならば、何も言わずにどういった態度をとるかを見極めていけば良かった。

 先に言ってしまう事で、それなりに考えて行動するようになる者も出てくる。

 腹黒い本性を隠して、表面だけでも丁寧に奴隷を扱う者も出てくるだろう。

 なのだが、それはそれで良いとタカヒロは考えていた。



 注意して多少なりとも態度をあらためるならそれで良い。

 それが出来るだけの智慧が働き、自分を抑制出来るならば良しとしたかった。

 どんな人間にもどうしようもない部分はある。

 そんな所を上手くいなしてくれるならば、それが出来るだけの能力があるならそれで良い。

 問題なのは、それすら出来ない輩である。

 ここがタカヒロが引いてる最低限の足きり線である。

 この先一緒にやっていく者であるかどうかの境界線でもある。

 奴隷の購入という事で、タカヒロはそれを考えていた。



 それと同時に考えている事もある。

 奴隷である立場を利用して図に乗る奴がいないかどうかを。


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