100回 全ての裁量権があるということは、全ての責任があるという事で
「早目ねえ」
言われてタカヒロはどうしたものかと思ってしまった。
まさか本当に手を出すわけにも、とは思う。
しかし、その気が無いのかと問われれば否と答える。
やむなく一緒に暮らすようになっているから、接してる時間は割と長い。
家に戻れば翌朝までほぼ一緒だ。
同じ屋根の下で暮らしているのだから、色々と大変な事になってる。
今日もまた我慢に挑戦の夜がくるというところでこの台詞である。
(まずいな)
欲望と野生が二頭立てでタカヒロを牽引しようとしていた。
ではどうするのか、という事になる。
タカヒロとしては特に何も問題は無い。
責任を取れといった事は何度も言われてきていた。
それらは、責任が取れるなら何をしてもよい、という事でもある。
手を出したら最後まで面倒を見ること。
相手に不手際があるならともかく、タカヒロだけの都合で弄んだりしないこと。
これらが当然の条件として突きつけられていた。
タカヒロからすれば当然な事ばかりである。
(あれ?
って事は何してもいいじゃね?)
そういう考えに至るのも至極当然であろう。
あとはタカヒロがどうするかである。
なお、一番肝心と思ってる本人の意志も既に確認済み。
冗談で言ってるかもしれないが、何はなくとも了承はしてるのだ。
タカヒロを押さえ込む理由は何もない。
既に気づいていた事ではあるが、あらためて確認すると、タカヒロに全ての自由がある。
そう思った瞬間に、タカヒロはミオの方に近づいていった。
「え?」
近づいて来るタカヒロに、ミオはいつもと違うものを感じた。
どうしたんだろうと思ってるうちに目の前にきて、抱きしめられた。
「え?」
と声を漏らしてるうちに押し倒される。
自分が床に寝転がってると理解した時には、タカヒロが上におおいかぶさっていた。
「え?」
何がどうしてこうなったのか、これからどうなるのか。
これらについて全く考えがおよばないままに、ミオはタカヒロに組み敷かれていた。
「それじゃ、早目に襲う事にするわ」
それだけ言うと、タカヒロは言葉を実行していった。
まだ復活と言えるかどうか分からないけど、とにもかくにも続きを。
心配してメッセージを送ってくれた方、ありがとうございました。




