第3試験 願いへの目標物語の始まり
豊かだった国が…
笑顔で溢れていた国が…
ある時突然現れた双子の子供によってめちゃくちゃに、壊されていく。
家は壊され、草木は枯れ、そこらじゅうに炎がメラメラと燃えている。
そして空中に浮かび笑みを浮かべている双子がいた。
「フフッ。面白いよ!ゾクゾクする!こんな光景見てると凄いワクワクする!ねっ!お兄ちゃんっ。」
「だよね。夢魔。後は城の方が上手くいけば、あの方に報告しようか。」
「わっかった〜!」
一方、城の方では白熱のバトルが行われていた。
「邪魔しないでっ!やっと自由になれる気がするのよ!だからミラクル…貴方は黙って塞ぎ込んでなさい!」
「何言ってるの!お姉様!お姉様はいつも完璧で優しかったじゃない!キラリ姉様、私は黙って塞ぎ込むような人間ではありません!」
ドスグロテクトとなった未来の姉…きらりと、ドリームプロテクトの未来はお城の庭で戦っていた。お互いに能力をぶつけ合い、叫び、足掻いている。
「ミラクルっ!キラリは…キラリはどうしちゃったの!?まさか…ドスグロテクトにっ!?」
二人の母、リゼッタが城の二階の部屋の窓からそう言った。
「そうみたいなんです。お母様!あの…双子の子供が…原因で…こんな事に…お母様は他の皆を連れて逃げてください!あの双子が…来てしまいますっ!」
「もう、お・そ・い・よ♪」
「なっ!?いつの間にそこに!?」
空中には満面の笑みを浮かべている双子…無夢と、夢魔がいた。
「はっ!?何故リゼッタの姿がもう見当たらないのだ!?」
無夢はそう言葉にし、辺りを見渡す。
窓の方にいたリゼッタは危険を察知する能力と、瞬間移動の能力を使った様で姿は無かった。
「よかった。お母様は逃げたのですね…。さて、どうゆうつもりか教えて下さる?」
「ミラクルさ…ちょっと戦い中断させないでくれる?まぁ、無夢様と夢魔様とお話されるなら別に我慢するけどさ…」
ちょっと不機嫌そうに座り込むキラリはステッキを置き、目で「どうぞ」とアイズをする。
「偉いねキラリは…じゃあ簡単に話そうか…。実は僕達よりも強い方がいらっしゃってね、僕達はその方に拾われて尽くす様になった。それであの方の命令で今ここに居る。と、いう訳さ。」
キラーンとドヤ顔をする無夢。キラキラ輝くような目で無夢を見つめる夢魔ときらり。そして憎しみの表情を見せる未来。
「ミラクル…無夢様にそんな態度とると許さないよ?」
未来の表情を察知したのか未来を一度も見ずにステッキを未来の首元に当て、警戒のようなオーラを放っているきらり。
「キラリ。大丈夫だよ僕は、もしなんかあった場合自分でなんとか出来るから。」
小さい癖によく言うよコイツ。
「それでどうするの?お兄ちゃん。コイツ、殺す?縛る?痛めつける?私、血が見たいな〜。」
ワクワクを隠しきれないのか夢魔は笑みが溢れ出している。
「いやいや、そこはね一度様子見してから痛めつけた方がすっごい面白いよ。」
そんな会話をしてる二人の後ろから攻撃しようと母から引き継いだ能力、「瞬間移動」を使いとりあえず気絶だけをと思い音を立てないように近づいた未来だったが、それに気づいたきらりがすぐさま阻止をする。
「このお二人に近づこうだなんて二度と思わないで。」
きらりは未来を見下すような目で、未来を見る。
「私は…絶対強くなってこの国を取り返す…例えそれが一年先でも五年先でも…いつかこの国を絶対取り返すっ!はぁぁぁぁっ!」
未来は今の全力を三人にぶつけるが、叩き飛ばされてしまう。
「わた…し…は…絶対…」
全力を出したせいでもあり、気を失いそうになる未来。
「じゃあ私は貴方を追い続けていつか…潰すから…覚悟しといて。」
その言葉を最後に未来は完全に気を失った。
気がついた時には全く知らない場所に倒れ込んでいた。国から凄く離れた場所みたいだ。
「私は、絶対強くなってやる。国を…取り返す!」
それが物語の始まりとなったのだ…