ここはどこ?私はだれ?
さて、5月病もあけて気分がいいです。
「綺麗ですね。」
一面の花畑が目の前に広がっていた。
しかし、ここが異世界だとはまだ信じてはいない。
何せ俺は帰宅部のエースである。
学校からの帰宅途中に寄り道したことは過去に1度もない。
俺が知らないだけで、都会の真ん中に花畑があっても不思議ではない。
VRとかそういう可能性もある、が、、、。
青い空、白い雲、空気がおいしい、遠くには山が見える、さらにマンションはおろそか道さえない。
色々考えた結果、一言俺は放った。
「ここどこ?」
まだ信じてないのかとばかりにジーと俺の目を見つめてきた。
「だから異世界ですよ?まだ信じていないなら、、ほら。」
彼女は足元にある花を一つとると俺の髪の毛に付けた。
「これが何か?」
「ジャンプしてごらん?」
半分バカバカしく思いながら、軽くジャンプをすると、ふわぁと体が宙に浮いた。
「おぉお!?なんだこれ?」
バタバタと足を動かす、まるで水の中にいるようだ。
「それは浮遊花といって、花を取ってから付けた人に浮遊の力を授けるという魔花よ。」
「ふゆぅばな?そんな花聞いたことないぞ?」
俺はスマホを出して浮遊花と検索ボックスに打ち込み検索ボタンを押す。
「ネットワークに接続できません、、ね。」
俺はメアリーさんの方を見る。
「はぁ、、だから異世界なんだって。認めてくれないですかね?」
「、、そうですね認めますよ。」
「なら良かったです。説明しますね。」
目の前にはスクリーン?のような物が出現する。
全く不思議だどこから投影しているのか、、いや異世界だったな。
「まず、ここがあなたの世界です。」
スクリーンにある多くの円の中に一つだけある青い丸を指で示す。
「そして、今いるのがここです。名前は【花の楽園】、物理法則はb-24が使用されていてあなたの世界とは比較的近いですね。ただ主要技術が魔法なんでそうは感じないと思いますが。」
と言いながら少し離れた赤い丸をさす。
うんうんとうなずきながら俺は質問をする。
「ここが異世界ってことも分かったし、メアリーさんが言ってることも信じるよ。世界を創るっていうのはどういうことなんだ?」
メアリーさんはスクリーンにタップして新しい円を出現させる。
「つまり、こうやって自分好みの世界を創れるわけですよ。今いる【花の楽園】だって田中さんっていう元日本人が創ったものです。」
「元、、ってどういうことです?」
「そうですね。世界を創るということは異世界の神になるということなのです。つまり、魂は神化されて元の世界では死んだこととなります。」
いった意味を理解するのに数秒を費やした。
え、、と、、つまり俺が仮にここでメアリーさんとお話して異世界の神になった場合、、、死ぬってこと!?
「いや、、です。」
「え?」
困惑した顔でメアリーさんが聞き返してくる。
「まだ、、、死にたくないです。」
「、、あぁ、、別に話しを聞いたからと言って強制的に契約させたりしませんから。」
「ほんとですか、、?」
「本当ですよ。怖がらせてしまいましたね、すいません。何せ死亡願望がある人しか、うちの店は見えませんからね、、、。あなたはイレギュラーなんですよ。」
その話を聞いてなんとなく分かった。
本来は自殺願望がある人が死ぬよりは、とメアリーさんの所を訪れて異世界の神になるということか。
しかし、なんで俺にあの店が見えたのだろか、、不思議だ。
「まぁ、そんなところです。この辺にして店に戻りましょうか。」
そういってメアリーさんが店の方を向くと同時に顔色が変わる。
「え?」
俺もそれにつられて店を見る。
めらめらと燃える店。
立ち上る煙、、、。