なんで俺がこんなめに!
人間とは愚かな生物だ。たった数十年しかいきることができないうえに、欲に飢えている。そのうえ、何かあれば神み。
『──高校に受かりますように。』
『今年こそ彼女ができますように!』
『弟の病気が治りますように。』
知るかそんなこと。叶えたいんなら自分を変えろよばーか。こっちはこっちで、忙しいんだっつーの。ブログの更新とか、漫画読んだりとか、ゲームしたりしてお前らの願いなんぞ聞いてる暇なんざねぇっつの。そんな俺は、神々の会議により、下界の人間どもを救いに行くはめになった。
天界は今日も晴れ。俺は、月に一度ある神々の会議の日だと言うのに家でごろごろしている。今まで俺の一族がしていたことがたたえられて殆んどなにもしないでいい状態だったのをいいことに、遊びほうけている生活が日常になってしまった。今年で246才になるが、人間から見たら、10代後半にしか見られないだろう。それに、ここら辺の中では顔は良い方なので、話しかけては、野菜や果物などを貰っていた。
「おーい、夏!遊びにきたぞ!」
「何が遊びにきただ、帰れ!つか、夏って呼ぶな!」
そう言うと、えぇーーっとほほを膨らませていった。こいつは、大乗蓮。小さい頃はよく遊んだが、今ではかなりのお節介なやつだ。
「あのなぁ!俺には夏風誠っていう名前があんだよ!」
正直、何事にも熱心になれない俺にはこんな名前あってないけどな。
「それより夏。聞いた?今、下界でいろんなことが起こってるんだってー。」
(そうかいそうかい、俺には関係ないな。)
「それで、何人かの神達が下界におりて、原因を調べることになったんだって。」
(へーへー。)
「それで、夏も行くことになったんだって。」
(へーへ...... は?)
「はぁぁぁああ?!何で!俺が!下界に!!」
「ちゃんと会議に参加しないからだよー。それに、夏は昔おじさんに武術習ったっていってたし。」
「確かに親父に習ったけど、何で俺が人間どものために下界なんぞにおりなきゃいけねぇんだよ。」
「たしかねー『夏風のところの小僧は人間に対しての見方がだいぶ曲がってるからこの機会に叩き直すとするかのぉ。』って言ってたよ。」
「決め方雑いぞ、じじいども!もっといろいろあんだろ!」
「あ、でもその前に僕が、夏が良いと思いまーす。っていっちゃったけどね。」
「元凶はお前かー!!」
「後これが説明書。明日出発って言ってたし頑張ってね!それじゃあバイバイ夏!」
そう言うと、掌を大きくパーにしてぶんぶん振りながら帰っていった。残された俺は、その場に力なく倒れた。
「......ありえねぇだろ。......」
ヤバい、泣きそうだ。なぜ俺がこんな目に遭わなきゃいけないのだ。まだ昼間だと言うのに、生きていく気力をなくし、寝てしまった。
目を覚ますともう夕暮れ、からすがカーカー鳴いていた。はっと先程あったやりとりを思い出した。手には明日からについてのことが書かれてある紙束がある。
(夢じゃ.....ねぇのか。...... )
溜め息をつき、空を見上げた。緋色に染まった空は俺にもう時間がないことを示していた。
(あーー。どうすっかなー。)
今から何を言ったって変わらないのだ。ならどうする。あれか、夜逃げというやつをするか。......だめだ。漫画やゲーム全部を持ち運べるほど時間はない。ならばあれだ。仕事放棄するか。いや、仮にも自分は神という立場にたっているのだ。どんなに働かなくても、任された仕事を放棄するわけにはいかない。
(んじゃ、どうすりゃいいんだよ。)
もう他には思い付く選択肢がない。パラパラと、渡された神束を見た。そこには。
───期間───
早くて1日。遅くて?日
なんともツッコミをいれたくなる書き方だったが、それよりも。
(早くて......1日!)
今まで、光のなかった世界に光がかかった瞬間だった。
(よし!さっさと終わらして、帰ってきたら徹夜でゲームするぞ!)
「よっしゃぁぁああ!!」
太陽が殆んど沈んでしまった空に、彼の声はよく響いた。
なんか、自分で書いてて悲しくなってきました。感想や、誤字脱字があれば教えてください。