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腐った乙女と俺様イケメン不良  作者: 真下地浩也
第二章  高校3年生4月
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新学期はサバイバルですか!?その4

 ブックマークが50件を超えました。 

 ありがとうございます。 


 思わず幻覚かと思いました。


 これからも憩と賑やかな仲間達をよろしくお願いします。

 あれから何度、四分一様に病院へが行くように勧めても却下されてしまいました。


 四分一様って意外と頑固なところがありますよね。


 本人が大丈夫といっているけど、怪我した場所が頭だし……。


 とりあえず四分一様の体調に気をつけておこう。


 もし倒れたりしたらいろんな意味で大変なことになりそうだから。


「そういえばアンタ、花見の時に拓哉に抱きついてたわよね。なんであんなことをしたのよ?喧嘩を止めるなら別に声をかけるだけでもよかったんじゃない?」


 葉山様の言葉に耳を疑った。


 私が向井様に抱きついた?


 そんなの猛獣に抱きつくのと同じですよ!?


 葉山様っては意地悪なこといって私を驚かそうとするなんてひどいです!


「いくら私でもそんな命知らずなことしませんよ」


 笑おうと思ったのに、教室の後ろの扉から突き刺さる身に覚えのありすぎる視線に、顔が引きつった。


「あら拓哉。思ったより早かったわね」


 まさか今の話聞かれてた!?


 油の切れた機械のように私は視線を辿る。

 

 今までに見たことないくらい壮絶に不機嫌な顔をした向井様が私を睨んでいらっしゃった。


 ……はい。これは聞かれていたパターンですね!


 恐怖で泣きそうだし、胃が引きちぎれそう!


 あとものすごい勢いで死亡フラグが乱立中!


 シャツの飛び散ったような赤はデザインですよね!?


 返り血なんかじゃないですよね!?


 私は信じてますから命だけはご勘弁を!

 なんなら今すぐ土下座します!


 向井様は舌打ちをして、私の後ろを通り過ぎる。


 あれ?

 一発くらい殴られると思ったのになにもされない。


 実はそんなに怒ってなかった?

 

 ほっとする間もなく、向井様は私の隣に座った。


 …………え?

 どうして向井様がそこに座られるのでしょうか?

 

 向井様は別のクラスじゃないんですか?


「蓮のせいだろうが」


 私の気持ちなんて知るよしもない向井様はそのまま葉山様と話し出す。


「喧嘩を売られたのは拓哉でアタシじゃないわ。だから置いて来たんじゃない」


 葉山様は向井様に対してもそうなんですか!?

 メンタルが強すぎますよ!


 私だったらとてもじゃないけど後が怖くてそんなことできない!

 

「あいつらは蓮も狙ってただろうが!」


「そうだったかしら?でもアタシを潰そうとしたところで意味がないわよ」


 葉山様を倒せば、人質にしたり出来るから、向井様を倒しやすくなるんじゃないんですか?

 

 私の疑問はあっさりと解決する。


「やられる前に倍返しするからに決まってるでしょ」


 ……葉山様が一番敵に回すと恐ろしいかもしれない。

 

 倍返しって何倍だろう?

 少なくとも二倍じゃすまないだろうなあ……。


 そんな二人のやり取りは日常茶飯事なのか、関元様はまたかという顔で見ていた。


「憩、お菓子食べる?」


 四分一様はいつも通りマイペースにお菓子をくれる。


 今日のお菓子はうすしお味のポテチ。

 あのさっぱりとした味がやみつきになるんだよね。


「ありがとうございます。いただきます」


 開いた袋から一枚もらう。


 コンソメもいいけど、私はご当地シリーズの九州しょう油味も好き。


 甘辛いしょう油の味についつい一人で一袋開けちゃうんだよね。


 え?油っこい?カロリーが高い?

 

 そんなこと気にしてたら何も食べられなくなるから気にしない!


 その分のエネルギーを二次元に費やしてるから問題なし!


 だんだんと激しくなる向井様と葉山様のやり取りを腐的に変換するとあら不思議!


 俺様✕色男ケンカップルのステキなBLに早変わり!


 ああ、イケメンってほんとおいしいなあ。

 妄想だけでご飯三杯はいけそう。


 なんて妄想していたら二人が冷めた視線を私に向けた。


 いやな予感がビンビンする!


「アンタ、今なに考えてたのかしら?」


 葉山様の背後に舌を出し入れする大蛇の幻影が見える。


「答えねえとブッ殺すぞ」 


 向井様の背後には毛を逆立てた虎の幻影が見えた。


 これなんて死亡フラグですか!?


 向井様は私の頭を掴んで、手に力をこめる。


 たちまち巨大なぺンチで挟まれたような痛みが生まれた。


「向井様!痛いです!ギブです、キブ!」


 脳細胞が圧力で死滅して、ただでさえ残念な頭がさらに残念なことになってる気がする。

 

「ならさっさといえ」


 涙目(痛すぎて勝手に出てきた)で頼んでもダメでした。


 いや私の涙目なんかで同情してくださるとは思わないけど、可能性にかけてみただけなんだけどね!


 私は策士にはなれないようです。


 だけどいつまでもこのままでは辛い。


 卑怯だと思いますが、ここは関元様と四分一様様に助けを求めましょう!


 覚悟を決める前に始業のチャイムが鳴り、先生がやってきた。


「チッ」


 向井様はしぶしぶといった感じで手を話し、先生へと視線を移す。


 めんどくさそうに前を見てなぜか硬直した。


 視線をたどると、阿部先生と榊弥子(さかきみこ)先生が壇上に立っていた。


 榊先生は百五十から六十センチの間くらいの身長に華奢な体格、ハニーブラウン色の前下がりボブ。


 白いブラウスに山吹色のカーディガン、若草色のマキシムスカート。


 穏やかそうな清楚で可憐な女の人。


 ……に見えるけど実際は四天王の一人で、一番生徒に恐れられている人だ。

  

 関元様と四分一様と同じクラスだって喜んでたけど、実はこのクラスってもしかして問題児の集まりですか!?


 四天王二人の登場にざわつく。


「こらこらっ!みんな静かに!先生のいうこと聞けない悪い子はバルムンクちゃんでお仕置きしてもらうぞ!」

 

 榊先生は可愛らしい笑顔を見せながら、ポケットから取り出したスタンガンを顔の横で振る。


 いやバルムンクはそんな黒い武骨なスタンガンじゃなくて魔剣ですよ!


 それともスタンガンを強力に魔改造してるからですか!?


 でも先生の脅迫……もとい、注意のおかげでみんな静かになる。


「それではホームルームを始めます」


 阿部先生は苦笑しながらも話を進める。


 うちの学校は新学期といっても全校集会など生徒が一度に集まることはない。


 理由は同じ場所に全校生徒を集めると喧嘩が始まってしまうからだ。


 ホームルームの内容も軽い先生の自己紹介とプリント配布、連絡くらいで終わった。


 阿部先生が担任で、榊先生が副担任だ。


 一時間目はそれで終了。


 後は六時間前まで通常授業を乗り切るだけだ。

 

 私は長い一日の始まりに深い溜息をついた。

Q.南並蘭と鈴の第一印象は?


高槻憩「蘭ちゃんは人見知りがちだけど賢くて、鈴ちゃんは無意識に心をえぐることをいうけど、元気一杯でしたね」



Q.南並蘭と鈴の現在の印象は?


高槻憩「第一印象と同じですね。あ、でも蘭ちゃんは笑顔が可愛くて、鈴ちゃんは一生懸命なところが癒やしてくれます。二人とも可愛いので将来有望です!これから我楽しみです!」

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