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腐った乙女と俺様イケメン不良  作者: 真下地浩也
第一章  高校2年生3月
42/111

お花見ですか!?その3

 残念美人登場。

 捕まったら今度こそ殺される!?


 冷や汗が頬を伝う。


 ど、どうしよう!


「よ、葉ちゃんごめん!急用を思い出したから帰るね!じゃあまたね!バイバイ!」


 具体的な作戦は何も思いつかないけど、とりあえずここから逃げ


「逃げようってんじゃねえよな?」


 逃走の一歩を踏み出した瞬間に腕を掴まれた。


 ひぃいいい!?

 いつの間にそんな近くに来たんですか!?


 足の長さの差ですか!?


「……おいお前」 


 葉ちゃんは向井様の手を払って私を庇うように立つ。


「あ゛あ?」


「俺のお姫様を泣かせんな。これ以上泣かせるんなら殺して(ばら)し」


「わぁあああ!?」


 慌てて大声を出して葉ちゃんがいおうとした有名な殺人鬼キャラのセリフを途中で遮る。


 あのセリフかっこいいから使いたく気持ちはわかるよ!


 でもね、人選を間違えてる!?


「葉ちゃん、落ち着いて!私なら大丈夫!さっきのは目にごみが入っちゃっただけだから!そもそもこの人知り合いだし!」

  

 向井様に殺すとか間違ってもいってはいけない。


 本気にしたら取り返しのつかないことになる……。


「知り合いねえ……。お前まさかいっちゃんをいじめたりしてねえよな?」


 葉ちゃんはジト目で向井様を睨む。


「んなダサいことだれがするか」


 いや向井様はいじめよりひどいことしましたよね?


 私覚えてますよ。


「騒ぎになってるから来てみればアンタこんなところにいたの?」


 険悪なムードを変えたのは葉山だった。


 私を探していたのは向井様だけじゃなかったようです。

 

「生オネエ初めて見た!?実在したんだな!テラ美人!?」


 葉ちゃん、お願いだから少し黙っててぇ!


 さっきからすごい勢いで私の寿命が縮んでる!


「……アンタ、いいお友達を持ってるのね?」


 葉山様に黒い笑顔で頭を鷲掴みにされた。


 いったあああ!?


 葉山様って意外と握力があるんですね!


 私の頭の骨がミシミシ逝ってませんか!?


 葉ちゃん、向井様!

 見てないで助けてください!


「あー!よもぎちゃんのおにいちゃんだ!」


「よーちゃんもいる!」


 可愛らしい女の子達の声にようやく葉山様は手を離してくださった。


 声の先には五歳くらいのツインテールとショートカットの女の子二人が立っていた。


 ありがとう!見知らぬ幼女達よ!


 ……ってお兄ちゃん!?


 葉山様って兄妹いたんだ。

 勝手に一人っ子だと思ってた。


「あら(すず)ちゃんと(らん)ちゃんじゃない。今日は二人で来たの?」


 葉山様は二人の側に行き、目線を合わせるようにしゃがんだ。


 さらに私に向けた笑顔とはうって変わって、優しそうな笑顔を向ける。


 べ、別に羨ましくなんてないんだからね!?


 …………私がやるとなんか気持ち悪い。


「ううん。おねえちゃんとおにいちゃんとゆきひこくんといっしょにきたの!」


 ツインテールの娘が首を横に振る。


「みんなでおはなみしようっておねえちゃんがつれてきてくれたの」

 

 ショートカットの娘は近くの桜を指差した。


「そうなの。よかったわね。それでお姉ちゃん達はどこにいるのかしら?」

 

 二人はきょろきょろと周りを見渡す。


 その行動はそっくりだ。


 あまり顔は似てないけど双子なのかな?。


「んー?わかんない!」


「わたしたちまいごになったみたい」


 二人はあっさりとそういった。


 知り合いの葉山様と葉ちゃんがいるからあんまり心細くないのかもしれない。

 

「それは困ったわね……」


 葉山様はほんとに困った顔をする。


 いつも飄々(ひょうひょう)としているからちょっと新鮮だ。


「俺ちょっとあるちん召喚するわ。一緒にお花見する予定だったんだ」


 葉ちゃんはポケットからスマホを取り出してあるちんさんに電話をかけ始めた。


 葉ちゃんはほんとに仲の良い人にはあだ名をつける。 


 だから今電話をかけている人は仲の良い人。


 当たり前のことなのに私の知らない葉ちゃんを知っている人がいて、少しだけ胸がモヤっとする。


「おねえちゃんはよもぎちゃんのおにいちゃんのともだちなの?」


「それともこいびと?」


 純粋な目で答えにくい質問をされた。


 間違いなく恋人でも友達でもないけど、それをいったら『ならなんで一緒にいるの?』、とかつっこまれそう。

 

「友達よ。ただの友達」


 え?今、葉山様はなんていった?

 

「ったい!?」


 呆然と葉山様の顔を見ていたらデコピンをされました。


「なんでアンタが驚いてんのよ?」


「えっと……あの友達って」


 ほんとですか?


 続く言葉は唐突な背後からの衝撃でいえなかった。


「なにこの娘!?可愛いわ!すごく可愛い!いい匂いもするわね!あのCMのシャンプーとリンス使ってるでしょ!?ボディーソープは石鹸の香りね!控えめで自然な匂いが素敵よ!あなた自身の匂いも日だまりのようでいいわ!いつまででもかげそう!さらさらの髪は(くし)でとかなくてもすさそうなくらいね!ああん!やっぱり女の子っていいわね!」


 なにこの人!?


 いきなり抱きついてきたかと思ったら、匂いをかがれた!?


 もしかして新手の変態!?


「テメエ!そいつから離れろ」


 向井様は変態さんから引き離してくださった。


 ありがとうございます!

 助かりました!


 でもまだ怖いから向井様の背後に周りこんで、変態さんへの盾にする。


 距離をとってみてわかったけど、縁の狭い水色の眼鏡をかけたクール系美人さんだった。


 背も高くて癒詩よりも少し低いくらい。

 

 さらにはグラビアアイドルにも引けを取らないダイナマイトボディーでした。

 

 この人、すごい美人さんなのに残念すぎる!?


「はあはあ……怯えている顔も小動物みたいでも可愛いわ」


 残念美人さんは鼻息も荒く。手をワキワキと動かしている。


 ひぃいいい!?

 この人、向井様達とは違う意味で怖い!


「あ、おねえちゃん!」


 幼女二人は声を揃えていった。


 葉ちゃん、説明プリーズ!


 私達のやり取りを傍観者のように見ている葉ちゃんに視線を送る。


「俺の友達その一『南並歩真(みなみなみあるま)』。通称『あるちん』。鈴ちゃんと蘭ちゃんのお姉ちゃんでシスコン。一つ年下で学年十指の頭脳を持ち、スポーツ万能の文武両道タイプ!」

 

 葉ちゃんはにやりと笑った。 


「で!ものすごい女好きで十二歳以上の男嫌い!守備範囲は老若問わず女!だだし彼氏持ちだぜ!」


 キャラが濃いってこういうこと!?

Q.比良吉不二介の第一印象は?


高槻憩「中肉中背で黒髪黒目のちょいイケメンなお兄さんですね」



Q.比良吉不二介の現在の印象は?


高槻憩「礼儀正しくてファンを大切にする方です!意外と気さくでちょっとおちゃめさんですね!ますますファンになりました!今度新作が出るんですけど、異例の執筆速度ですよね。そんなに書いてて体調を崩さないか心配です!無理しないでご自愛してくださいね」

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