表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
腐った乙女と俺様イケメン不良  作者: 真下地浩也
第一章  高校2年生3月
38/111

もしかしてデレ期ですか!?

 城野デレ回。病んではいません。



 ブックマークが33件越えてました!

 ありがとうございます!


 驚きすぎて思わず二度見、三度見しました!


 これからもば……高槻達をよろしくお願いします!


 

 ※タイトル変えました。

 先週はついにとんでもないことをやらかした。


 向井様に歯向かうなんて、命知らずもいいところだ。


 土日にバイトに行って、ヴェルさんに蹴られたことがバレて大変なことになったし……。


 ファミレスで二時間くらい説得してなんとかわかってもらえたけど、もう三度目はないんだろうなあ。


 でも今日向井様達に会わなければ、多分しばらくは大丈夫なはず!


 なぜなら明日から春休みだから!


 長期休暇って最高だよね!


 堂々と学校を休めるんだよ!?


 つまり時間を気にせず好きなだけ二次元に行けるんだよ!?

  

 これが幸せといわず何を幸せだっていえばいいんだ!


 ビバ☆春休み!


(ねえ)さん!おはようございます!」


 ん?姉さんって誰のこと?


 癒詩はそんな風に私を呼ばないし、気のせいだよね?


 今年の春休みはなにをしよっかな!?


 『不良と風紀委員長の秘蜜の淫らな午後』を見返すのもいいなあ!


 溜まってる漫画もゲームもあるし……。


 よし!今年もバイトと買い物以外は家に引きこもろう!


 春休み中に発売されるゲームもあるしね!


 不健康?何それおいしいの?


 あ、でも久しぶりに葉ちゃんに会いたいなあ。


 四月から受験生だから難しいかな?


 うーん……とりあえず聞いてみよう。

 もしかしたら予定が空いてるかもしれない。


 ん?

 なんか今誰かに袖を引かれた?


 振り返ってびっくりした!


「姐さんってば!無視しないでくださいよ!」


 城野様が今にも泣きそうな顔で私の袖を引いていた。


 かっわぃいいい!


 四分一様みたいなギャップ萌えもいいけど、城野様みたいな正統派萌えもやっぱりいい!


 うるっうるっの大きな目と直接腕を掴むんじゃなくて服を摑むいじらしいところがたまらん!


 狙っているならもう最強だ!


 天然でも最強だね!


「姐さんやっぱり昨日のこと怒ってるんでしょ?だからさっきから俺を無視するんでしょ?」


 悲しそうに項垂れるとかもう雨の日に捨てられた猫みたいで庇護欲をそそられる!


 なんかもうぎゅと抱きしめたくなる!


 BLならお持ち帰りされておいしく食べられてるよ!?


 いやいやそうじゃなくて!?


 いったん落ち着け、私!


 まずは誤解を解こう!


 落ち着くために深呼吸をすると、勘違いしたのか城野様はビクリと肩を震わせる。


 なにこの人可愛すぎる……!?


 落ち着くどころか興奮してしまうんだけど!?

 

「気づかなくてすみません!考え事をしてました!あ、あと怒ってませんよ?」


 荒ぶる心を奥底にしまって笑いかける。


「姐さん、この間はすみませんでした!」


 いきなり土下座をされた。


 ここ校門前で人がたくさんいるんですが!?


 案の定、近くを通る人達がざわざわしてる。


 私の中ではもう済んだことだったから、もう城野様が謝る必要なんてなかったのに。


「えぇえええ!?先週のことは気にしてませんから!ほんとに気にしてませんから顔上げてください!お願いですから!」


 城野様に土下座なんてさせたなんて、ファンの人には殺される!?


 私もしゃがみこんで城野様に顔の高さを合わせる。


「許されることじゃないのはわかってます。でもそれじゃ俺の気が済まないんです!何でもしますから償わせてください!」


 あかんってぇえええ!

 何でもしますから、とかいわんといてや!


 ほんまに殺されるわ!


「いくらでも許しますから立ってください!償いとかもいりませんから!」


 渋る城野様を無理やり立たせる。


 癒詩に比べれば城野様は軽いものです!


「さすが姐さん!器の大きさが違いますね!」


 いやただ単にこれ以上注目浴びたくないだけですが!?


 城野様はどんな勘違いをされてるんだろう。


 ……怖いから聞かないけど。


 それよりも気になるのは。

 

「姐さんってなんですか?」


 さっきから当然のようにいわれていますが、私達はそんな仲じゃないですよね?


 城野様って私のこと嫌いですよね?

  

「姐さんは拓哉さんのものなんでしょ?だから姐さんです」


 何を考えたらそうなるんだろう?


 あの人にとって私の存在は都合のいい下僕じゃないかな…………?


 いやノロマで面倒くさい下僕……?


「よくわかりませんが違いますよ。だから姐さんっていわれるのはちょっと……普通に名前で呼んでくれませんか?」


「いやです!」


 清々しいくらいはっきりと断るなあ……。


「向井様になにかいわれました?」


 他に城野様に影響を与える人は思いつかないしね。


「何もいわれてませんよ?」


 きょとんと不思議そうに首を傾げる。


 え?ならなんで私への態度が変わったの!?


「憩と涼、おはよう」


 ちょうどいいタイミングで正義さんが来てくださいました。


「し、正義さん、おはようございます!」


「正義さん、おはようございます!」


「涼、許してもらえた?」


「はい!正義さんと蓮さんのいうとおりでした!姐さんは優しくて何も償わなくていいっていってくれました!」


 まさかの四分一様と葉山様の影響でした。


 何をいわれたのか想像がつかなくて恐ろしい。


 馬鹿なとこたくさん見せたからなあ……。


「ん。よかった。憩、涼が悪いことしてほんとにごめんね」


 四分一様はほんとに申し訳なさそうに頭を下げる。


 四分一様がおっしゃるならいくらでも許しますよ!


 むしろどんなことをしても許せます!


 自ら悪いことなんてしないってわかってますけどね。


「いえ!大したことじゃないですから気にしないでください!」


「憩は優しいね」


 優しいとは違うけど四分一様に頭を撫でられるならもうなんでもいいです!


 人に体を触られるのはあんまり好きじゃないけど、四分一様なら気にならない。


 ああ、痛くもくすぐったくもなくてただ気持ちいいなんて絶妙な撫で方!


 私なんかでよければいくらでも撫でてほしい!


 喉を鳴らす猫の気持ちがわかるかも……。


「おはよう、高槻さん。なんか………幸せそうだね」


 関元様は苦笑していた。


 もしかして私、気持ちよすぎて気持ち悪い顔になっていた!?


「せ、関元様、おはようございます」


 慌てて四分一様と距離を取り、関元様へ顔を向ける。


「怪我とか心配してたけど大丈夫そうだね」


「はい!少し湿布臭いかもしれませんが大丈夫です!」


 湿布臭い発言に関元様は顔をそらして口元を押さえた。


 でも肩が揺れてるから笑っているのはバレバレですよ?


「……そっか。それならよかった」


 少し笑ったら落ち着いたみたいで、いつもの爽やか笑顔を見せてくださいました。


 いやー今朝は豪華です!


 城野様に、四分一様に、関元様にお会いできてたくさん萌えました。


 春休み前にいいものが見られて幸せです。


「そういえば明日から春休みだけど高槻さんは予定ある?」


「今のところはバイトくらいですね。友達と遊びに行きたいんですけど、他校なんで予定が合うかどうかわからないんですよね」


「そうなんだ。バイト先はスーパーだったっけ?頑張ってね」


「ありがとうございます!全力で頑張りますね!」


 な、なんと関元様に応援されてしまった!


 これはもう頑張るしかないですよね!


「やる気があるのはいいことだけどほどほどにね」


「はい!わかりました!」


 あ、頑張りすぎて体を壊して他の人に迷惑かけちゃダメですね。


 ギリギリの体調を崩さない範囲で頑張ります!


「ほんとにわかってる?」


 関元様に少し不安げな顔をされた。


 いや体調管理が出来ないほど馬鹿じゃないですよ?


 チャイムが鳴り出し、近くにいた生徒達は慌てて教室に向かって行く。


 生徒指導の先生がものすごく怖くて厳しい人で、遅刻したら反省文を五枚書かされる。


「姐さん!俺荷物持ちます!」


 城野様はキラッキラッした顔でそんなことをいわれる。


 台詞と顔があっていない。


 城野様はMなの?


 だったらいろんな意味でおいしいんですけど!?


 落ち着け、私!


 R指定のピンク色の妄想をしちゃいけません!


「ありがとうございます。でも大丈夫です」


 今日は午前中しか授業がないから鞄が軽い。 


 何より城野様に鞄を持たせるなんて恐れ多いことできない。

 

「俺はそんなに頼りないですか?」


 私の袖を握って、伏せた目で私を見る。


 もちろん目は今にも泣きそうなくらいうるっうるっ。


 城野様、それ狙ってますよね!


 と声を大にしていいたい。

 

 こんな顔をする人を無視して先に行ける人がいるだろうか?

 

 少なくとも私は行けない。


「えっと……それじゃお願いします」


 恐る恐る鞄を差し出すと城野様の周りに花が咲いた。


 城野様って猫っぽいイメージがあったんですが、あれですね。


 犬っぽいんですね。


 頭にピコピコ動く耳と、ちぎれんばかりに揺れる尻尾の幻覚が見えます。

 

 城野様は私を萌え殺す気……っ!?


 教室まで送られて注目浴びまくったけど、開き直った。


 城野様に帰りも待ち伏せされ、強制的に家まで送られました。


 急にデレられて怖かった。

 

 まさかデレられて怖いと思う日がくるとは!?


 城野様、二次元でももっとゆっくりとデレますよ!?

Q.城野涼の第一印象は?


高槻憩「デフォルトされた縫いぐるみみたいな可愛いライオンですね。金髪がたてがみで大きな目が猫っぽいと思いませんか?」



Q.城野涼の現在の印象は?


高槻憩「犬っぽいですね。最近獣耳と尻尾の幻覚が見えます……(遠い目)。あっ!城野様どうしたんですか?え?敬語と様付けをやめてため口で呼び捨てにしてほしい?無理、それは無理です!そんな泣きそうな顔しないでください!城野様のことを嫌いだからじゃなくてなんとなく呼びづらいだけですから!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ