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腐った乙女と俺様イケメン不良  作者: 真下地浩也
第一章  高校2年生3月
24/111

これっていじめ?

 いつもより少し短いです。


 後半、正義が激おこプンプン丸ですので、気をつけてください。

 憩は嘘を吐くのが下手だと思う。


 だって憩は思ったことが全部顔に出るから。


 朝。

 靴箱から少し離れた草むらの前に憩が座り込んでいた。


 昨日のこともあるし、心配になって声をかけるとすごくびっくりしてた。


「四分い……正義さん、おはようございます。蛇がいたので人目につかない場所へ逃がしてました」


 憩はまた俺を四分一様と呼ぼうとしていた。


 敬語でも壁を感じるのに、様付けなんてされたらもっとそう思う。


 もしかして憩は俺が嫌いなのかな?


 ほんとにそうなら悲しいなあ。


 でも憩の笑顔は嘘をついているようには見えない。


 俺の気のせいか。


「おはよう、憩。優しいね」

  

 俺もつられて笑う。


 憩は俺が笑うと嬉しそうな顔をする。


 赤くなったほっぺが可愛い。


 ハナが憩を見たら可愛いって抱きつきそう。


 俺とハナは好きなものが似てるから、きっと一目で憩を好きになる。


 今度、紹介したいなあ。


 じっと憩を見ていたら、憩の隣にゴミで膨らんだビニール袋があることに気づいた。


「なんで憩はゴミ持ってるの?」


 ただ不思議だったから聞いただけなのに、憩は顔色を変えた。 


 あ、昨日の拓哉に怒られた時の顔に似てる。


「えっと……その、これは」


 真っ青な顔になった憩はすごく考えこんだ後、思いついたように叫んだ。


「そ、そう!マイブームなんです!」


「ゴミを拾うことが?」


 思わずつっこんで聞いてしまった。


「はい!ゴミがなくなって綺麗になった場所を見ると気分がスッキリしませんか?地域の奉仕作業でやってからはまっちゃって!四分一様もお暇な時にでもいかがですか?」


 なんかすごく必死な憩を見ていたら、これ以上聞くのも可哀想になってきた。


 それだけいいたくないんだろう。


「……そう。憩すごい。俺も見習う」


 後で湊に相談しよう。


 そう決めて俺は憩へ笑いかけた。


 理由はなんにしてもゴミを拾うことはいいことだ。


 憩はなんともいわずに曖昧に笑う。


 ちょうどいいタイミングで予鈴が鳴って、別れの挨拶をして憩は教室へと向かって行った。


 途中で俺が手を振るとすごく嬉しそうに笑って振り返した。


 湊しかわかってくれないけど、やっぱり憩は可愛い。

 

 俺は早足にその場を去る。


 目的地は教室じゃなくて、靴箱の影。


 気づかなかったみたいだけど、そいつは俺が声をかける前からからずっと潜んで、敵意を隠さずに憩を見ていた。


 途中で俺が向かってきていることがわかって、慌てて逃げようとしていた。


 でも俺はそのくらいで逃がすような人間じゃない。


 俺は男の襟を掴むと宙吊りにする。


 男が苦しそうな声をあげた。


「ねぇ憩になにしたの?」


 男はなにもいわずに俺を睨んだ。


「なにしたの?やったこと次第で“俺”怒るよ?」 

 

 少し力を込めて脅しをかけると男は慌てて話し出した。


 男の話を聞いて俺は怒りが()く。


 靴箱に入れた蛇が無毒だからといって、憩を噛んだりしないというわけじゃない。


 毒蛇だったたらなおさら危険だ。


 しかもやったのはこの男だけじゃなくて、他にも何人か便乗したらしい。


 理由は憩が拓哉達と仲良くしているのが気に食わなかったから。

 

 俺は怒りのままに男を近くの壁に叩きつけた。


 骨が何本か折れたけど、生死に関わるような部分じゃない。


「次、憩に同じことをしたら俺はお前達を許さない」


 そういい捨てて、俺は気絶寸前の男をその場に投げ捨てた。


 これだけ脅せばもう二度と憩にちょっかいをかけないと思う。


 もしそれでもダメだったら俺は容赦しない。


 家族やハナに友達は俺にとって、大切な存在だから体を張って守る。


 俺はポケットから飴を取り出して食べる。


 苛々した時には甘いものが一番だって姉ちゃんが教えてくれた。


 本当にそうだと思う。


 甘い物を食べたら苛々した気持ちがどこかに行ってしまった。


 俺はゆっくりと教室に向かった。


Q.主人公(?)高槻憩の第一印象は?


四分一正義「小さくて姉ちゃんに似てる」



Q.主人公(?)高槻憩の現在の印象は?


四分一正義「優しくて可愛い。もっと仲良くなりたい」

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