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腐った乙女と俺様イケメン不良  作者: 真下地浩也
第四章  高校3年生6月
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高校イベントといえば文化祭ですか!?その7

 いや、いくら私でも小さな子どもみたいに、興味のあるものにふらふらついて行って迷子になったわけじゃない。


 だったからなんで迷子になってるかって?

 それはね……葉山様の人気をなめてたからだよ!


 一応、葉山様はファンにばれないよう、カウボーイみたいなハットに、レンズが大きめのサングラスをかけてた。


 でもその程度の変装じゃ葉山様のファンの目をごまかせなかった。


 ロボット研究会の展示場から出た瞬間。


「あ!あの人!アレンじゃない!?」


「一緒にいる人達もかっこいいよ!」


 その一言をきっかけに次々に黄色い声が上がり、近くにいた女の子が葉山様達を取り囲んだ。


 続いて聞こえたスマホのシャッター音。


 葉山様だけじゃなくて向井様達もカッコいいからなあ。


 なんてのんきなことを考えていられたのもそこまでだった。


「ちょっとあんた邪魔!」


 鋭い声が聞こえて、誰かに突き飛ばされた。


「アレンが見えないじゃない!こっち来ないで!」

 

 そのまま突き飛ばされ続けて、目が回った頃にようやく集団から抜け出せた。


 二重、三重に取り囲む女の子の集団にさすがの向井様達も戸惑っているみたい。


 その内、イライラして手を出さないかひやひやする。


 あれ!?女の子の人数増えてない!?

 もしかして誰かが葉山様がここにいるって拡散した!?


 なんて迷惑なことしてくれたの!?

 このままじゃみんなここから動けないよ!


 声をかけても届かない。

 戻ろうとしても押し返されて進めない。


 これが女子力(物理)か!?


「このままじゃもっと騒ぎになる!いったん中に戻るぞ!」 


 中心部から葉ちゃんの声が聞こえた。

  

 そうだね。このままそこにいたら事が大きくなるだけ。


 それなら椎葉くん達には悪いけど、騒ぎが落ち着くまでかくまってもらった方がいいよね。


「ちょっと待って!憩ちゃんがいないよ!」

 

 あ、ゆーくん気づいてくれた。


「そんなの嫌だ!俺は一人でも憩ちゃんを探しに行く!」


 誰か(多分葉ちゃんか関元様)に私を探しに行くのを止められたけど、反対してるみたい。


 無理やり先に進もうとしてるけど、多勢に無勢。


 さらにゆーくんは葉山様とは違うタイプのイケメンだから、私よりも危険だ。 


「そんなこといってる場合じゃないだろ!まーさん、ゆーゆー確保してくれ!」

 

 葉ちゃんが叫び、四分一様がゆーくんを後ろから羽交い絞めにした。


「離してよ!俺は憩ちゃんを」


 さすがのゆーくんでも四分一様に力で敵わずに、ロボット研究会の展示室の中に引きずられていった。


 その後を向井様達が続き、女の子達が入る前に扉を閉める。


 よかった。みんな無事に部屋に入れたみたい。


「あの子、さっきアレンと一緒にいなかった?」


「アレンと知り合いなの?」


「まさか彼女とか?」


 一斉に私へ視線が集まる。


 あ、これヤバい?


 捕まったらえらいことなるやつやないですか!?


 ここは逃げる一択だよね!?


 勢いよく振り返って、全速力で駆けだす。


 え?廊下は走っちゃいけない?

 そんなこといってる場合じゃないから!


 一人、二人と、追いかけていた女の子達がいなくなり、息が切れる頃には誰もいなくなっていた。

 

 ふう。何とかまけたみたい。


 可愛い女の子達に追いかけられるって、ハーレム系主人公とか超モテるキャラによくある展開だけど、あんな必死の形相で追いかけられると恐怖しかない。


 まるで逃げるだけのホラーゲームの主人公にでもなったような気分だよ。


 逃げ足には自信があるんだよね。

 おかけでなんとか逃げ切れたし。


 どのくらいかっていうと向井様と城野様と命がけの鬼ごっこが出来るくらいだね!

 

 あれ……?でもけっきょく捕まって、いろんな目に遭ってる?

 それも現在進行形で。


 う、うん!深く考えないでおこう!

 じゃないと目から汗が大量に出ちゃうからね!


 今が楽しければいいじゃないか!

 

 とりあえず葉ちゃん達とどこで合流するかを決めないとね。


 えっとスマホはどこにいれたかな?


「ぼく、さっきから誰かを探してるみたいだけど迷子?」


 上のジャケットのポケットの中だっけ?

 うーん、ないなぁ。


「は、はい。お兄ちゃん達とはぐれてしまいました」


 短パンのポケットだっけ?

 やっぱりないなぁ。 


「そうなんだ。じゃあお姉ちゃん達と一緒に探そう?」


 バッグのポケット?

 ポケット多いのにしたからどこに入れたか全然わからないや。


「えっ、いえ、一人でだいじょうぶです」


 外側にはないなぁ。

 じゃあ内側?


「遠慮しなくていいのよ。お腹空いてない?お菓子あげようか?」


 えっと……奥の方かな?

 そんな見つけにくいところに入れたつもりはないんだけど……。

 

 あ、さっき走り回った時に鞄の中身がぐちゃぐちゃになったのかも!


「で、でも……えっと……あっ!お姉ちゃん!」


 やっと見つけた!

 これでやっと葉ちゃん達と連絡がとれるよ。


 ん?なんかすごい視線を感じるんですが、なぜ?


 視線を辿るとあの高校生くらいの女の子三人組と小学生くらいの男の子に行きついた。


 え?私なにかやらかしました?


 安心してください。

 憩の弟は癒詩だけです。

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