ステータス
「代表、俺たちになにをさせる気ですか!?」
「それはね・・・この機械の中に入ってもらいます」
代表は部屋の隅に置いてある、円柱型の機械を指さした。それにはたくさんのコードが繋がれていて、怪しげな雰囲気を醸し出していた。
「何かヤバそうな感じがするんですけど、本当にこの中に入っても大丈夫ですか?」
俺は渋い表情を作りながら、代表にたずねる。隣の美咲は優秀なため顔の表情に出ていないが、兄である俺には入りたくないと思っていることがわかる。
「そんなに心配しないで下さい。これは単なるステータスの測定で、危険なことは何にもないですから」
それは予想の斜め上を行く回答だった。
「「えっ、ステータス!?」」
俺と美咲の声がハモる。俺が知っているステータスとはゲームなどに出てくる架空のもので、現実世界ではそんなものはなかった。しかし、この世界にはそれが存在しているという。
「その人の能力を数値化したものがステータスです。えーっと、口で説明するより実際にやってみた方が分かりやすいと思うので、とりあえず翔太君から入って下さい」
「・・・はい」
俺は怪しげな機械の中に覚悟を決めて、入った。
「それでは、計測を開始します。しばらく動かないで下さい。」
代表の声ともに計測が始まった。
「(・・・・・・・あれ??何もおきないぞ)」
数分後、本当に何もないまま計測が終了した。
どうやら、心配のしすぎだったらしい。
「お兄ちゃん、どうだった?」
「何もなかったよ」
美咲は安心した表情を見せ、計測機の中へ入っていた。数分後、美咲の計測も無事に終わった。
「こちらが、翔太君と美咲さんのステータスリングになります。」
代表は2つのブレスレットを渡してきた。
「ステータスリング?」
「横のボタンを押してみて下さい。」
リングを腕にはめ、横のボタンを押した。すると、俺の目の前にステータスが表示された。
「うっわ、なにこれ!?」
「あっ、びっくりした」
「今、目の前に見えているのがそれぞれのステータスになります。」
ステータス
岡野翔太 男 16歳
体力 200
魔力 150
攻撃力 400
素早さ 350
防御力 150
精神力 150
スキル
『空間移動』
俺のステータスはこんな感じだった。一方、美咲のは
ステータス
岡野美咲 女 15歳
体力 150
魔力 700
攻撃力 200
素早さ 150
防御力 100
精神力 300
スキル
『魔法師』
俺は攻撃力と素早さが高く、美咲は魔力がずば抜けて高く、精神力も高い。魔力と精神力以外は俺と同じぐらいか俺よりも低い。
「(異世界チート来たーーーー!!!!)」
元いた世界では、全てにおいて美咲よりも下だったダメ兄貴が妹にいいところを見せるチャンスなのかもしれない。
一方、俺たちのステータスを見た代表は驚愕の表情をして、こうつぶやいた。
「これなら金星人たちに勝てるかもしれない」
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