公園での出来事 3
ガラガラ。
この音とともにドアが開かれ、薄暗い倉庫内に夕日の西日が差し込んできた。
俺は音がした後ろに振り向いた。すると、俺の目に飛び込んできたのは敵でもなく軍の隊員たちでもなく、メイドの青木さんであった。
「・・・・はぁはぁ、・・・・お、おそくなってしまい申し訳ごさいません。美咲様、翔太様の警護が私の役割なのに美咲様が危機的状況になられたにも関わらず、私としたことが助けに来た時には翔太様にもうすでに片付けられてしまっていました。翔太様もあのようなゲスな奴らの相手にしてしまい本当に申し訳ごさいません。」
青木さんは息を切らして飛び込んで来て謝罪の言葉を一息で言いきった。そして、深々と頭を下げた。
「青木さん頭を上げて下さい。俺は好きで奴らの相手をしたんですから青木さんが謝らなくていいんですよ。それに全力で駆けつけてくれたことは見てわかりますから、気持ちだけで嬉しいです。そうだろ、美咲?」
「お兄ちゃんの言う通りです。結果的にお兄ちゃんの方が早かっただけで、もし青木さんの方が早く来ていたら青木さんに助けてもらっていたと思います。だから、そんなに謝らないで下さい。青木さんが必死で助けてくれようとしたのはわかりましたから。」
「ですが私は・・・・」
「青木さん自分を責めないであげて。もうこの事は過去の事です。今回については水に流しましょうよ。ちなみにこれは命令です。反論は受け付けません。」
「・・・・ありがとうごさいます、翔太様、美咲様。それでは私の気がどうしても済まないので私が翔太様と美咲様を望みを一つ叶えるというはどうでしょうか。た・・・たとえ、い、いかがわしい内容でもかまいません」
青木さんは頬を赤らめて驚きの発言をした。
「ち、ちょっと落ち着いて下さい。い、いかがわしい内容って・・・・」
「お、お兄ちゃん!青木さんになにするつもりなの!?このスケベ!」
美咲がバシバシと俺の頭を叩いてきた。
「まてまて、俺はなにもそんなこと期待してないぞ」
「美咲様、翔太様、私にできるかぎりのご奉仕をさせて下さい。でないと私の気が済みません」
「(そんな上目づかいで見られても・・・。美咲にはさっきから睨まれてるし・・・・。どうする、俺?)」
悩んだすえ、俺が出した結論は・・・・。
俺がやっつけた三人の男たちは警察に引き渡して、基地に帰った。
基地に帰ると千葉少佐と田之上司令に今回の事件について報告した。
ということで、俺たちは再び司令室に来ていた。ここには前回と違い俺たちだけでなく、軍団の幹部、千葉少佐、青木さんがいた。
「その美咲さんを誘拐した女は逃げたということですね。それにその女は雇われたと言ったと。」
「現在、捉えた三人の男たちを取り調べている最中だと、警察の方から連絡がありました。聞いた話によると、その男たちも雇われたといったそうです」
「うむ。この事件には黒幕がいるな。その黒幕の正体を暴かないと今後もこのようなことがある可能性が極めて高いな。今回のことを受けて軍団の方でも独自に調査を開始する。黒幕を見つけるまで美咲さんと翔太くんには迷惑をかけるが、できるかぎり早く解決出来るようにするので少し我慢してもらいたい。美咲さんと翔太くんは今後、いつ今回のような事があるかわからないから気をつけるように」
「「了解しました」」
俺たちはしばらく二人きりでの外出を控えるように言われて、司令室を後にした。
自分達の部屋に帰り、ひと息ついていると青木さんがやって来た。先ほど俺が言ったお願いを叶えにやってたのだ。
「翔太様、美咲様、それでは始めさせていただきます」
「・・・・あっ、そ、そこはダメっ・・・」
「お兄ちゃんばっかり、ずるいよ。青木さん私にもして」
「・・・・い、いいよそこ。あ~あ気持ちいい・・・」
俺が青木さんにしたお願いはただのマッサージだ。それを聞いた美咲は「じゃあ、私も」と言って、二人でマッサージをしてもらることになったのだか・・・。
青木さんのマッサージテクは凄まじくついつい変な声が出てしまうのだった。
しばらくして、楽園に行ったような気分になるマッサージが終了し、心と身体をリラックスできた。
「青木さんマッサージ気持ち良かったです。また、今度お願いします」
「ありがとうごさいます。疲れた時にはいつでもしますので言って下さい。その、お願いがあるんですが、私のことは青木ではなく香代と呼び捨てで呼んでもらってもいいでしょうか?」
「もちろんだよ、香代。それなら、俺のことも翔太と呼んで。あと、敬語じゃなくてタメでいいから」
「そんなことはできません」
「じゃあ、命令ってことで。香代、敬語禁止で名前で呼ぶこと」
「いや、ですが・・・」
「返事は?」
「はい・・・。せめて、さん付けでお願いします」
「それならさんより君の方がいいなぁ。てか、敬語禁止」
「わかりました・・・、わかったわ、翔太君」
「よし、それでいいよ。香代」
「す、ストーーップ!ちょっと、なに妹の前でイチャイチャしてんの!それに香代、お兄ちゃんは私のものだから渡さないよ」
「美咲、別にイチャイチャはしてないよ。それに俺は美咲のものじゃないぞ。そうだよね、香代?」
「は、はい。べ、べつにイチャイチャはしてませんよ」
「今回はその通りにしといてあげるわ」
一回落ち着いたところで香代と美咲を自分たちの部屋に帰らせ、俺は寝るために身支度を済ませてベッドに入るころにはさすがに疲れが出てきた。
今日はいろいろなことがあったなぁ。朝の出来事が何日も前のように感じる。中身の濃い一日だったと思い返しながら、俺は夢のなかへと落ちていった
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また、忙しい時期に入ってしまうため次回は遅くなりそうです。楽しみしていて下さい。