プロローグ 1
「・・・はっ・・・はっ・・・はっ!!」
呼吸と足の動きに合わせ木刀をふる。
俺が振った木刀はびゅんびゅんといい音を響かせ、空気を斬る。
俺の名前は岡野翔太 16歳の男子高校生。今、俺がしていたのは毎日の日課である朝稽古だ。
容姿は普通、運動能力も普通、たが、唯一勉強の成績は中の上ぐらいというどこにでもいそうな高校生である。そんな、平凡な高校生がなぜ朝稽古なんかしているのかというと、それは俺が暮らしている国であるグレナディーン王国は現在、隣国であるネーバス共和国と戦争中だからである。そのため、グレナディーン王国の子供たちは13歳になると戦闘訓練を受けるなければならない。その戦闘訓練の一環として俺は自主的朝稽古をしているのだ。
「ふぅ・・・もう、こんな時間か・・・」
空を見上げると雲一つないとはいえないがきれいな青空が広がっていた。日をたかい所まで昇っており、日の出の薄暗さのかげはもう無くなっていた。どうやら、だいぶ時間がたっていたらしい。
「(今日はいつにも増して集中していたなぁ・・・やっば、早くしないと美咲に怒られる。急ごう)」
俺はこんなことを思いながら、稽古を切り上げて早足で家に帰ることにした。
家に帰ると
「おいにちゃん!遅いよ!」
妹の美咲が俺の帰りが遅いことに怒っていた。
「ごめん、ごめん」
俺は素直に謝りながら、美咲の反応をうかがう。
「もぅー、しかたないんだから」
美咲は許してくれたみたいだ。最近の美咲は俺に対してなぜか当たりが強い、反抗期というやつだろうか。
「朝ご飯を作って、テーブルの上に置いといたからね!私は先に学校に行っているから、遅刻しないでよね!あ、あと、野菜もちゃんと食べないとダメだからね!」
「わかったら、返事!」
「はーい、わかりましたー!」
美咲はそう言って、学校に向かった。
美咲は15歳で俺より1つ年下である。また、美咲は容姿淡麗、運動神経抜群、学業優秀の3拍子揃った完璧超人である。
さらに、学校では生徒会に入っているため、一般の生徒より早く学校に行かないといけないのである。俺なんかには、本当にもったいない出来過ぎた妹だ。俺と美咲が通っている学校は「国立グレゴリー高校」という高校なのだが、この高校はグレナディーン王国にある全7つの国立高校の中でトップレベルを誇るの校校である。美咲はともかく、平凡な俺がこの高校に通える理由は、俺が持ってる『自己能力』にある
『自己能力』とは
多くの人は出来ないが、自分なら使うことの出来る能力の事だ。これは生まれつき誰もが必ず1つ持っている能力である
例えば、美咲の『自己能力』は『魔法師』である。その他にも、「重力制御」や「振動増幅」など多くの種類がある。ちなみに、複数の人が同じ『自己能力』を 持ってることは意外と多い。しかし、その能力の使い方など個人差はある
俺の『自己能力』は『空間移動』だ。この『空間移動』が『自己能力』である人物は俺が誕生するまで1人しか確認されていない。
その1人とは、むかしこの世界を支配していた魔王に立ち向かい
みごと勝利し、平和をもたらしたとされる『勇者』だ。つまり、
俺は『第2の勇者候補』というわけである。そんなわけで俺は『第2の勇者候補』として「国立グレゴリー高校」に入学したのだった
俺は美咲が作ってくれた朝食を食べ、身支度を済まして学校へと向かう。
今年からよろしくお願いします!
『1年の計は元旦にあり』という事で誠に勝手ながら2015年1月1日に初投稿させて頂きました。
読んでくださった方、本当にありがとうございます。
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