晴れた夜、その月明かりの下で
「月ってさぁ」
「ん」
「自分で光ってるわけじゃないんだよねぇ」
「そだね」
窓から月の光が部屋に差し込む。人工のものではないこの光が私は好きだ。
「こうやって考えてみるとさぁ」
「うん」
「他力本願ってのも悪くないよねぇ」
「それは…なんか違う」
「そっかぁ」
街灯、ネオンサイン、車のヘッドライト。目が痛くなるから夜の街は歩きたくない。
「でもさぁ」
「ん」
「誰かの作ったカレーライスを食べるのはいいねぇ」
「…そう」
「そうだよぉ」
暗いのが怖いなら、地面でも光らせればいいのに。
「それにさぁ」
「うん」
「誰かと一緒に寝るのも、いいねぇ」
「そうね」
「…」
「…何か言いなさいよ」
「…おやすみぃ」
「おやすみ」
カレーを食べながら見た天気予報は雨だった。しばらく天気予報は信じない。