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第26話 ロギアン

第26話 ロギアン


 文化祭が終わって、数日経ってから、宮元くんからメールが着た。

 謝罪の言葉と、友人を続けて欲しいと書いてあった。

 私は、気にしないでと返信した。

 宮元くんと、メールを続けてるっていうのは、

 横山くんには言わない方がいいかな。


 放課後、横山くんとイルミネーションを観にいくことにした。

 学校から少し離れた駅前広場へと歩く。


「イルミネーション楽しみだね。僕、このためにデジカメ買っちゃったよ」


「いいのー? そんな無駄使いして」


「だって、紗季を撮りたいんだよ。写真まだ持ってないしさ」


「えへ。じゃあ、一緒に撮ろうよ。イルミネーションの前で」


「うん。楽しみだね」


 歩いていると、道行く人が手を振ってくる。

 なんだか、こうして手を振り返すのも慣れてきちゃった。

 ちょっとした、有名人の気分だわ。


 近くを歩いていた中年の女性が笑顔で近付いてくる。


「あらー、あなたテレビで見たわよー。これ、よかったら食べて」


「え? す、すみません……」


「あなた、魔神なんでしょ? 大変ねー。いろいろあるでしょ? 

 頑張ってね。応援してるわ」


 渡されたみかんを持って、横山くんを見ると横山くんは苦笑いしている。


「なんか、みんな慣れてきた感じだね。

 最初なんて、みな近づきもしなかったのに」


「そうね。最近は、おばあちゃんが拝んできたりするし、

 私が破壊神っていうのをみんな忘れてるみたい」


「あはは。そうだね。でも、紗季は力を抑えれているし、

 人間の世界を守ってるんだから、胸を張っていいと思うよ」


「そっかなあ? まあ、みんなが怖がらないようになったし、

 胸を張ってみるかな」


「そだね。形いいことだし」


「もうー! エッチなんだからー」


「イルミネーション見たあと、部屋にくる?」


「うん。いくー」


 駅前広場にくると、青白いイルミネーションが、綺麗に光っている。

 何だか、その光を見てると、気温は低いけど何だか暖かさを感じる。

 横山くんの肩にもたれかかると、横山くんが髪を撫でてくれる。


「綺麗ねー」


「うん。でも、紗季の方が綺麗だよ」


「ありがと」


 歩いている人に、撮影を頼む。


「すみません。撮ってもらえますか?」


「いいですよ。はい、チーズ」


 撮ってくれた後に、携帯写真を頼まれた。


「あの、携帯で写真撮らせてもらえますか?」


「はい。いいですよ」


 撮られていると、周りの人達も私に気付いて人が集まってきたので、

 私たちは、帰ることにした。


「あーあ。私も桜みたいに姿を変えられたらいいのに。

 そしたら、気付かれないのになあ」


「まあ、仕方ないじゃない。でも、僕は紗季の髪の色好きだよ。

 すごく似合ってる」


 私は、髪を右手で触る。ふふふ。横山くんが褒めてくれた。

 嬉しいな。


 男子寮の前まで来ると、江藤さんと岸川さんが話し込んでいた。

 岸川さん、すごく嬉しそう。よかったね。岸川さん。


 私たち二人に気付くと、江藤さんは手を挙げてくる。


「おう。お二人さん、いつも仲いいなあ」


 私は、岸川さんに笑いかける。

 横山くんが、江藤さんと話しているうちに、岸川さんに耳打ちする。


「上手くいってるみたいですね」


「うん。ありがとね。距離が縮まってきたよ」


 横山くんが、私の方を見る。


「どうしたの? 二人でこそこそして」


「なんでもないのー。ねえ、岸川さん」


「そうよー。ガールズトークなんだから、詮索しないで」


 横山くんに先導されて、男子寮の中に入る。

 珍しく、寮管さんが受付にいた。


 油断していた私は、ドキッとして、心臓が鼓動を早める。

 寮管さんに、なんて言い訳しよう。


「あ、あの、こんばんは」


 私が頭を下げると、寮管さんは、ああっ。と言って、奥に引っ込んだ。

 あれ? 大丈夫だったんだろうか? 横山くんと顔を見合わせ、

 階段の方に行こうとしていると、寮管さんが通路に出てきた。


「これ、お願いできないかい? 孫があんたのファンでね。頼むよ」


 寮管さんは、手に色紙を持っている。

 私は、笑顔でサインをした。


「あ、そこに良平くんへって書いて」


「はい。これでいいですか?」


「ありがとう。助かるよー」


 階段を上がりながら、横山くんが笑う。


「完全に、自分の仕事忘れてるね。まあ、助かるけど」


「そうね。最初見つかったとき、びっくりしちゃった」


「受付にちゃんといることなんて、年に何回もないんだけどね。

 今日はどうしたんだろう?」


 3階にあがって、奥の横山くんの部屋を目指す。

 しめしめ、今日は誰にも見つからなかったわ。


 部屋に入ると、横山くんがブレザーを脱ぎ、ネクタイを外す。

 私も、魔法衣を脱ぎ、制服姿になる。


「横山くん、今日はエッチなことしちゃダメだよ? 

 この前、びっくりしたんだから」


「そっかー。残念だなー。でも、寮で変なことするのは、やっぱダメだね」


 テレビのスイッチを点け、二人で見ていると、

 横山くんの手が私のウエストに触れてくる。

 横山くんを見ると、横山くんの鼻息が荒くなってる。

 やーん。興奮してるじゃないのー。


「ダメよ。横山くん。我慢して。ね、お願いだから」


「う、うん。じゃあ、キスだけ」


「ホントに、キスで止めれる?」


「うーん。ちょっと自信ないかも」


 横山くんが私を抱き寄せて、太ももに触れてくる。

 私は横山くんから少し離れる。

 横山くんに触れて欲しいけど、ここだと誰がいつ入ってくるかわからないもの。

 エッチなことしてても、何だか落ち着かないわ。


「横山くん。ダメだって」


「ちょっと、ちょっとだけ」


 横山くんの指が、私のパンツを触る。

 もう、ダメって言ってるのにー。

 もう片方の手が、ブラウスのボタンを外そうとする。

 私は、その手を掴む。


「ホントに、我慢して。そうしないと、

 もうこの部屋に来れなくなっちゃうよ?」


 横山くんは、手の動きを止めてくれた。

 ちょっと、不満そうに私を元のように座らせてくれる。


「わかったよー。我慢するよ。でさ、交換条件で、膝枕してくれない? 

 そんで耳かきして」


 耳かき? 人のなんてしたことないけど。

 横山くんがゴロンと横になって、私の太ももに頭を置く。


「うーん。柔らかい。それにいい匂いだ」


 横山くんが、くんくんと匂いを嗅ぎながら、私のお股に顔を向ける。

 私は恥ずかしくて、横山くんの顔を掴んで、上に向けた。

 ごきんと音がして、横山くんが顔をしかめる。


「きゃっ。横山くん大丈夫?」


「いつつつ。だ、大丈夫だと思うけど、首痛いよー」


「ごめんね。力が入っちゃったみたい」


 横山くんが体を起こして、自分の首に回復魔法をかける。

 時たま、力の制御が効かなくなるのよねー。

 気を付けないと、横山くんを怪我させちゃうわ。


「ごめんね、横山くん。時たま、制御できなくなるから」


「いいんだよ。ちょっと、調子に乗り過ぎたから」


「ね、耳かきはどこ? してあげるよ」


「机のペン立てだよ」


 私が立ち上がり、ペンを探しているとスカートをめくられた。


「コラ! 何してんの!」


「へへへ。今日はブルーだね。かわいいよ」


 ダメだわ。横山くんがエッチな顔になってる。

 なんとか、なだめないと。


「横山くん。エッチなことばかりするなら、もう帰っちゃうよ? 

 それでもいいの?」


「それは嫌だよー。でも、触りたいんだよー」


 うーん。困ちゃったな。私だって、横山くんに触れてもらいたいけど、

 やっぱり、あんまりそういう事するの良くないと思うし。

 寮の部屋じゃ、落ち着かないし。

 横山くんは、捨てられた子犬みたいに私を見る。

 そんな目で見られると、キュンとしちゃうよ。


 私の中で、抑えなきゃっていう気持ちと、

 触って欲しいって気持ちがせめぎ合う。

 私は、立ち上がりドアを少しあけて、外の様子を覗う。

今日は人のいる気配が他にない。ちょっとなら、いいかも。


「横山くん、ちょっとだけだよ? あと、服着たままでもいい?」


 横山くんは、ぶんぶんと頭を縦に振る。

 私が、ベッドに腰掛けると、横山くんはスカートに手を入れ、

 私のお尻を触ってきた。

 気持ちよくって、私もドキドキしてしまう。

 声がうわずっちゃう。


「脱がしたらダメだよ? 我慢できる?」


「うん。我慢するよ。紗季、すごくいい匂いだ」


 私の股間に、横山くんが顔をうずめてくる。恥ずかしいよう。

 横山くんがスカートをめくって、私の太ももに頬ずりしてくる。

 恥ずかしくって、顔が火照ってくる。


「横山くん、そんなに急に、あんっ」


 横山くんが私のお尻をぐっと掴んでくる。

 掴まれたところが、ジンジンして気持ちいい。


 横山くんが顔を上げ、私の顔に顔を近付けてくる。

 私は、すっと目を閉じる。

 私の唇に横山くんの唇が重なる。

 胸の奥が、きゅんと高鳴る。

 次いで、じわーっと暖かい感じが体中に広がってくる。

 好きな人にキスされるのって、なんで、こんなに気持ちいいんだろう。

 なんで、こんなに素敵なんだろう。

 暖かい春の日差しを浴びたように、私の全身は心地よい。


 横山くんに押し倒され、私は上半身をベッドに横たえる。

 私は、期待に胸を膨らませてしまう。

 ついさっき、横山くんを止めたばかりだというのに、

 エッチなことを期待してしまう自分がいる。


 横山くんが、服の上から胸に頬ずりしてくる。

 胸を押されると、すごく気持ちいい。

 直接触って欲しいけど、それを言ってしまうと、

 横山くんも私も歯止めがきかなくなっちゃう。


「うん……。はっ……」


 私の口から、我慢してても、いやらしい声が漏れてしまう。

 横山くんが、ブラウスのボタンを外し、中に手を入れてくる。

 ぎゅっと胸を掴まれると、私の頭はトロンとして、幸せに包まれる。

 これ以上、抵抗できそうにない。

 ああーん、もうどうにでもして。


 横山くんが、私の顔を見ながら、荒い呼吸をしてる。

 私も何だか、息苦しい。体が暑い。

 横山くんの手がブラの中に入ってきた。

 指先が、私の乳首に触れた瞬間、私の全身に電気が走った。

 私の体がビクンと痙攣して、口からやらしい言葉が漏れた。


「ああん!」


 私は、横山くんにぎゅっと抱きつく。


「さ、紗季も感じてくれてるの?」


「う、うん。恥ずかしいから、そんなこと聞かないで」


 横山くんの指がまた私の乳首に触れる。

 全身がとろけちゃいそう。

 胸の中心がぎゅーんとなって、すごく熱い。


「……ん」


「紗季、硬くなってるよ」


「い、言わないで、そんなこと……」


「へー。そんなに気持ちいいんだぁー」


 あれ? 横山くんの声じゃないぞ。それに、横から聞こえてるのはなんで?

 私が目をあけて、横を見ると、ベッドに桜が頬杖をついて、私を見ていた。


「ちょちょちょちょちょ、ちょっと、あんた何やってのよ!」


「何って、見てたんだけど? あなたたちの交わりを」


 横山くんを押しのけ、跳ね起きて私は前を隠す。

 横山くんが、壁に激突して、下に落ちた。


「いててて」


「きゃっ! ごめんなさい! 横山くん、大丈夫?」


「あーあ。何やってんのよ。彼氏を殺す気?」


「あんたが、覗いてるからでしょ! いきなり入ってこないでよ!」


「えー? 覗きじゃないわよ。人聞きの悪い。

 ヴァージンのあんたが上手くできるかと心配して見守ってたんでしょう?

 感謝しなさいよ」


 あーいえば、こういって! 頭にきちゃうわ。

 私がほっぺを膨らまして、ブラウスのボタンをとめていると、

 桜が後から抱きついてくる。


「怒らないのー。可愛いい顔が台無しだぞ?」


 うわっ。背中にふかっとした感触がある。

 おっきいなあ。このぐらい大きい方が横山くん喜んでくれるんだろうなあ。


「桜って、ホントに胸おっきいね。最初から大きかったの?」


「ううん。揉んでもらっているうちに大きくなったんだよ」


「ほんと?」


「うん。ほんと」


 じゃあ、私も揉んでたら、大きくなるんだ!

 人並みの大きさになるんだ!


「やん……」


 桜が私の胸をガシっと掴み、揉んでくる。

 やだ、すごく気持ちいい……。


「桜、あん……。これで、大きく、……ん。なる?」


「なるわけないじゃーん」


 はい? 何なのそれは?!

 むきー!

 私は、桜に裏拳を当てた。

 桜は壁に、頭をめり込ませる。


「いたたたた。ちょっと、紗季、洒落になってないわよ」


 私は立ち上がり、桜を睨む。

 この女は、今日という今日はわからせてやるわ!

 私は、右手に力を集中させる。赤い光が右手から漏れ出す。

 魔力が集中しているのが自分でもわかる。

 桜は、ぶるるっと震えて、手を合わせる。


「ごめんなさい。もうしません。許してよー。友達でしょ?」


 こういう台詞に、今まで何度騙されたことか!

 今日は、絶対許さないぞ!


 私が拳を振りかぶると、横山くんがその手を掴んだ。


「やめなよ。謝ってるんだからさ」


「横山くん! この子は、何回もこういってるの! 騙されちゃダメよ!」


 桜が、私の首に抱きついてきた。うわっ。ち、近いよー。

 桜の胸が、私の胸にぎゅっと当たる。私は恥ずかしくて、

 上体を逸らしてしまう。


「今度は、本当に悪いと思ってるの。わたし、紗季のこと好きなんだから、 意地悪したくなっちゃうの」


 桜が、私の首筋にキスしてくる。やん。止めてよ。くすぐったい。


「ちょ、ちょっと、わかったから離れて!」


 桜を押しのけると、桜の目が妙な光を放っている。

 何? もしかして、そっちの気もあるの?


「あ、あの、桜、もしかして女の子も好きとか?」


「前に言ったじゃないの。わたし、どっちもいけるよ?」


「はい? 冗談って言ってたじゃないの」


「私は、蛇蝎軍団の所属よ。嘘つくのは専売特許だって」


 ちょっと、桜との関係を考え直さないと、私の操が危ないわ。

 私は、桜から少し離れ、横山くんの後に隠れた。


「紗季は、相変わらずガードが固いのねー。女も試してみたらいいのにさー。

 そうそう、私がここに来たのはね、ロギアンの連中のことよ。

 あなた、返事しないで、ほったらかしにしてるでしょう?」


 しまった。ロギアンの人達との会談の返事をずっとしてないままだったわ。

 すっかり、忘れてた。


「返事忘れてた。桜の方に、連絡があったの?」


「さっき、部活終わりにバスケ部で、ショッピングモールに行ったらさ、

 ロギアンのお偉いさんが、すがるような目で私にいうわけよ。

 シオン様は、私たちを見捨てられたのですか? ってさ。

 せっかく今日は、スリーポイントがバンバン決まって、

 気持ちよかったのに、辛気臭い顔で、言われて、

 私のテンションダダ下がりよ。

 直接言ったら? って言っても、連中平伏すばかりだしさー。

 あんた、明日にでもいきなさいよ。迷惑だから」


「なんで、私にだけ会いたがるの? 桜だって魔神なのに」


「そりゃね、あんたと私とじゃ、ランクが違うもの。

 私は魔神といっても、下の方だからね。

 魔界最強クラスの力を持つあんたとじゃ、天と地ほども違うわ」


「ふーん。そっかー。じゃあさ、明日行くから、桜もついてきてよ」


「いやよ。私、練習があるもの」


「練習ってバスケでしょ? 一日ぐらい休んでもいいじゃん」


「そうはいかないのー。

 横山くんについて行ってもらったらいいじゃないの。

 それなら寂しくないでしょ?」


 顔を上げると、横山くんが私の方を振り返って、笑顔を見せてくれた。

 よかった。横山くんが一緒なら、心強い。


「ごめんね。横山くん。変なことに巻き込んで」


「いいって、いいって。僕もちょっと、ロギアンに興味あるし」


「ありがとうね。横山くんが付いて来てくれたら、心強いよ」


 私は、横山くんと見つめ合う。

 不安な気持ちが消えていく。

 桜がポケットからメモを取り出し、渡してくる。


「はい。これ、ロギアンの電話番号よ。明日行くって、電話してあげて」


 ちょっと、緊張しちゃうな。でも、かけないわけには、いかないか。

 電話をかけると、女性がでた。


『はい。ロギアン本部です』


「あ、すいません。私、坂野と申します。

 サンドル委員長はいらっしゃいますでしょうか?」


『失礼ですが、どういった御用件でしょうか?』


「えっと、あの、会いたいって言われてまして……」


『はい? サンドル委員長は、一般の方とはお会いになりません』


 携帯電話を、桜が私からパッと取った。


「貸しなさい。あんたは、ホントにもう」


 桜は咳払いを一つすると、声のトーンを落とした。


「コシンよ。いますぐサンドルに取次ぎなさい」


 桜は、髪の毛をくるくると指で巻く。

 桜の髪の毛は、青くて綺麗だな。ちょっと触ってみたくなるわ。

 でも、触ったら、さっきみたいに迫られちゃいそうだし、我慢しとこう。


「サンドル? 受付の女に伝えなさい。

 我が主に無礼な真似をするなと。替わるわ」


 桜が、携帯電話を私に、すっと渡してくる。

 ちょっと、緊張するなあ。偉いさんとの会話なんて。


「もしもし? あの、イザベロス=シオンです」


『シオン様! 私、サンドルと申します! 

 先ほどは、大変失礼いたしました。きつく叱って起きますので』


「あ、いえ、私が真名を名乗らなかったのが、悪いので。

 それで、あの、明日にでもお伺いしようと思うんですが、

 ご都合は如何でしょうか?」


『まことですか! 総出でお出向かえさせていただきます! 

 お待ちしておりますよ!』


「えっと、学校が終わってから、18時頃には行けると思いますので、

 よろしくお願いします」


『はいー! 我ら、一同首を長くして、お待ちしておりますー!』


「そ、それでは失礼いたします」


 電話を切って、私はため息をついた。

 困ったなあ。なんか、大事になってそう。


「はあ。困ったなあ。総出で、出迎えるとか言ってるよ」


「そりゃ、当たり前よ。あんたは、破壊神なんだから。

 ロギアンの連中にとっちゃ、初まりを作る最高神なんだからさ」


「ふー。まあ、いいわ。一回行ったら、納得してくれるよね?」


「さてねー。どうなのかは、私にはわからないわ」


 横山くんが私の二の腕に触れる。


「大丈夫だよ。きっと、会ってみたらいい人たちだよ。きっと」


 横山くんに言われると、不思議とそう思えるから不思議だ。

 私は、うんと頷いて、笑顔を作る。

 そうだよね。横山くんと一緒なら、不安になることなんてない。

 どこに行っても、横山くんと一緒なら、楽しいはずだわ。

 明日は、小旅行と思って、楽しむことにしようっと。


 それから、しばらく雑談をして、私は桜と女子寮に帰った。

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