都市伝説では納豆菌で滅んだ星があります
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02369385(ゼロニーミロクミヤコ)です。
宇宙人は人間の中で暮らしている。
アメリカで起きたロズウェル事件という宇宙船墜落事故があった。
しかし搭乗していた宇宙人との交流は隠蔽され、そこから103年経った2050年。
地球の国々は宇宙人との関係を公表しており、彼らは街の中で公然と生活するようになっていた。
見た目ですぐ分かる者もいればパッと見て分からない者もいる。
人類は宇宙人たちからの技術提供と、もともと進化していた科学によって仕事はAIがし、
教育などはほぼVRで行い、
基本的に働かなくても外出をしなくても生活出来るようになっている。
私は軽くあくびをした。
そんな恵まれた世界で生きてはいたが、1つ悩みがある。
『宇宙人しか好きになれない』
AIロボットがひと世帯に1体はいるので、AIロボットに恋して付き合っている人々はいる。
多くの人は人型のAIに恋をしてるが、球体、C形のアームが付いている者と付き合っている猛者もいた。
しかし宇宙人は別だ。
彼らはまだ希少で定住している者は少数、いたとしてもVIP扱いの者も多く一般人が出会えない存在が多い。
宇宙人と交流していると多くの国が発表してから20年経つが、彼らが移住したり団体で観光しているというニュースもあまりない。
なので困った宇宙人オタクたちのために1つの解決法があった。
AIロボットに宇宙人を演じてもらえばいい、というものである。
しかしいくら見た目や態度が宇宙人であっても中身はメカ。
ふとさびしい気持ちなるのでどうしても馴染めなかった。
私が好きな宇宙人は人型のプレデアス星人だ。
彼らは見た目が北欧のイケメンのような人が多く、身長は2mを越える者もざらにいる。
昔の都市伝説ではプレデアス星人やその他の宇宙人、そして猿系の動物の遺伝子を混ぜることで人間が誕生した、と長らく言われていた。
が、宇宙人との交流が公になり、その都市伝説だった物が今は多くが公然の事実として認められている。
「始祖様ー!」
プレデアス星人のことを考えるとつい叫んでしまう。
でも大丈夫、今や全ての家やマンションは完全防音、気にする必要はない。
ふと、ネットを見るとプレデアス星人のライブに参加しませんか?
という募集があった。
もちろんVRである。
せめてVRでもいいから交流したい。
どうせ付き合えないんだから。
バナーをクリックした。
▽▲▽▲▽▲
入って見て分かったがそのプレデアス星人は女性だった。
よく見ないで申し込んだのも悪いが、こっちは異性愛者なのでちょっとがっかりした。
しかし話しが面白かったのでこれはこれでいいかと思い直す。
プレデアス星人の名前はアリアと言うらしい。
アリアは現実の身体をそのまま投影した形で出演しており、私やその他の観客は思い思いのアバターで椅子に座っている。
観客の数は100人くらい。
彼女を中心としてドーナツ状に囲む形で座談会が進んだ。
その中でもプレデアス星人というかほぼ全ての宇宙人は納豆が嫌い、という話しが一番おもしろかった。
▽▲▽▲▽▲
ライブが終わり久しぶりに散歩に出ることにした。
今の時代外出をしない人も多いが、私は散歩が好きだ。
気のせいかもしれないけどVRより情報量が多い気がする。
しかし五感への技術が進んだ現代のVRでも出力出来ない何かがあるのだろうか?
何かは分からないが ある と思う。
そんな前時代的な考え方は心を愉快にさせた。
コンビニに寄る。
子供のころはどこにでもあったが、出歩かない人が多くなった今は少なくなってしまった。
品揃えも昔よりない。
納豆の話しを聞いたので目の前の納豆パックを手に取ってみた。
すると、視線を感じた。
振り向くと心底嫌そうな顔をした男性がいる。
黒髪で、年齢がよく分からないが20代から30代だろう。
180cm越えの高身長、
顔は一般的な日本人のイケメンという感じ、だけど始祖様に比べたら普通の薄い顔だ。
その人が
「それ、食べるんですか?」
と眉間にシワを寄せて言った。
こういう人とたまにエンカウントするからリアルはみんな出たがらない。
仮にネットで出会ったらミュートしてもいいし、場合によっては運営に報告してもいいが、
リアルだとどうにもしづらい。
VRだったらスルーしてもある程度安全だ。
しかし現実でスルーして怒られたら身の危険もある。
回線を切ってここからすぐ消え去りたい!
ムリだけど。
…だんだん何だかムカついてきたので、変な人と思われてもいいやと思いながら返答をした。
「そうですけど、あなた宇宙人でしょ?」
こっちはプレデアス様と付き合えなくてフラストレーション溜まってるんだ。
納豆も大好きだし食べるよ!
関係ない!と言う意味を込めて。
しかし相手の反応は予想外だった。
「なんで宇宙人だと分かったんですか?」
彼はから笑いをし、そう言った。
その顔は本当に驚いているようだった。




