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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season8 ― あリがとうの波紋 ―小さな会社の大きなアップデート ― 日常に寄り添う設計 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season8 ― あリがとうの波紋 ―小さな会社の大きなアップデート ― 日常に寄り添う設計 ―
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第4章 ぽかぽかUI ― 温かさをデザインする

たまきが夜通し考えたデザイン案。

文具を愛する気持ちが、そのまま画面の中に広がります。

“買う”ではなく“手元に届く”――彼女らしい優しい発想です。

[アークシステムズ・オフィス/翌日午前]


窓から差し込む光が、白いデスクに反射している。

たまきはノートパソコンの前で、

何枚ものスケッチを並べながら色とフォントを調整していた。


「すごい……環さん、もうここまで仕上げたんですか?」


「昨日寝る前に少しだけ……って思ってたら、

 気づいたら夜が明けてました。」


「“好きなこと”やってる時って、時間止まるよな。」


「はい。

 それに、文具って見てるだけで楽しいから……

 その感じをそのまま画面にしたいなって思ったんです。」


「文具の“空気”をデザインする……いいですね。」


環は照れたように笑い、モニターを向けた。


そこに映っていたのは、淡いパステルカラーのサイト画面。

背景には、やさしく滲むペンのインクを思わせるグラデーション。

ボタンは手書き風のフォントで、

“買う”ではなく“あなたの手元に”と書かれている。


「……これは、温かいな。」


「“買う”って言葉が少し冷たく感じたので、

 “手に届く”にしたんです。

 文具って“誰かの手で作られて、誰かの手に渡る”ものでしょう?」


「確かに……この言葉だけで、優しさが伝わりますね。」


「環らしい発想だ。

 理屈じゃなくて、ちゃんと“心”で設計してる。」


「ふふ……ありがとうございます。

 あと、ここ。購入完了画面に“今日のひとこと”欄を入れてみました。」


モニターには、小さな吹き出しが表示されていた。


 > “新しいノートには、まだ見ぬあなたの言葉が眠っています。”



「うわぁ……これ、読んだ瞬間ぽかぽかしますね。」


「見てるだけで、やさしくなれるUIだな。」


「文具って、ただの道具じゃなくて、

 “誰かの一日をちょっと明るくする魔法”だと思うんです。

 その魔法を、画面の中にも残したい。」


「……まったく、うちの事務担当は詩人だな。」


「ほんとです。

 “ぽかぽかUI”、この名前でプロジェクト進めましょうか。」


「えっ、それ名前にするんですか?」


「決まりだな。

 “ぽかぽかUIプロジェクト”――いい響きじゃないか。」


3人の笑い声が重なり、

窓の外の風鈴が小さく鳴った。


――優しさをデザインする。

それはきっと、技術よりも心に近い仕事なのかもしれない。

文具って、人の毎日を支える小さな魔法。

その魔法を、環がちゃんと形にしてくれました。

次回、システムはついに動き出します。

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