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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season8 ― あリがとうの波紋 ―小さな会社の大きなアップデート ― 日常に寄り添う設計 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season8 ― あリがとうの波紋 ―小さな会社の大きなアップデート ― 日常に寄り添う設計 ―
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第3章 設計会議 ― やさしさを形に

アークシステムズの会議室で、

しゅうなぎたまきの3人は“人の想いを残すシステム”を考え始めます。

“ぽかぽかUI”という新しい言葉が生まれる瞬間。

[アークシステムズ会議室/翌日午前]


ホワイトボードの前に、なぎが設計資料を並べていた。

窓の外は春の光。

空気が少しだけ、いつもより柔らかい。


「さて、昨日の現地調査を踏まえて――

 どう設計する?」


「はい。ベースは通常のオンラインショップ構成でいきますが、

 追加で“ありがとう共有機能”を入れたいと思います。」


「“ありがとう共有機能”?」


「購入時に“ありがとう”や“気持ち”を添えられる欄をつくるんです。

 スタッフがその一言を見て、返信メッセージを送れる仕組み。」


「つまり、“感情の往復”がある通販サイトか。」


「そうです。

 普通のサイトは、ボタンを押したら終わりですよね。

 でも、ミライ事務用品は“手書きの想い”が強み。

 それを“やりとりのデザイン”として残したいんです。」


たまきはうなずきながら

「いいですね。

 購入完了ページに“手書きメッセージ画像”を添えるとか。

 色やフォントも、文具っぽい雰囲気にしたいです。」


「手書き風フォント……それ、いいですね。

 画面を見た瞬間、“紙の手ざわり”を感じられるUI。」


「ふむ。じゃあテーマは“手ざわりのあるデジタル”。

 目指すのは、“温度を感じる設計”だな。」


「“温度設計”……なんか、いい響きです。」


「それなら、トップページに“今日のひとこと”コーナーを入れるのはどうですか?

 スタッフが交代で書く小さなメッセージ。

 “今日のおすすめ文具”とか、“このノートに書きたい言葉”とか。」


「それも採用だ。

 ユーザーがサイトを開いた瞬間、

 “誰かの声が届く”ような場所にしたい。」


「……ほんと、こうして話してると、

 システムって人の想いの集まりなんだなって思います。」


「そうだよ。

 数字もプログラムも冷たくなんかない。

 使う人と作る人の想いが重なれば、それは“ぽかぽかの設計”になる。」


「“ぽかぽか設計”……ですね。」


3人の笑い声が、静かなオフィスに広がる。

モニターに映る画面の中では、

まだ白紙のデザイン案がやさしい光を反射していた。


――その白さの中に、

きっと新しい“ありがとう”が生まれる場所がある。

“数字より心。効率より想い。”

しゅうの言葉が、この章のすべてです。

次回は、たまきの“好き”がデザインとして花開きます。

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