セルビ様の婚約話
ある日セルビ様から、こっそり呼び出しがありました。
以前のように、ランバースペースの隅っこの席で待ち合わせです。
学期末の試験も終わり、学校内がのんびりモードで試験前と違い放課後になると図書室、ランバースペースは閑散としています。
「セルビ様、どうかされましたか?
何か殿下やユーリアさんの事ですか?」
「いや、今回は個人的な相談なんだ。 アンジェリーナ嬢の意見が聞きたくて」
「まあ、何でしょうか?」
「アンジェリーナ嬢のご友人のエミリー嬢の事なのですが…」
「エミリーですか?」
「ええ、父から婚約者にどうかと言われまして…」
ああ、もう卒業ですしね。
セルビ様のような方が今まで婚約者がいなかったのも不思議なんですよね。
「それで私にエミリーの事を聞きたかったと…
失礼ですが、セルビ様はなぜ今まで婚約者がいらっしゃらなかったのですか?」
「うーん、それがですね」
何でも今まで何人か候補はいたらしいが、学校にいると、殿下のお守りに忙しく令嬢の相手などしていられない事。
自分の勉強と殿下のお守りでいつもしかめっ面で、不機嫌そうに見えて女性から敬遠されていた事。
自分たちに、寄ってくる女性は殿下目当てが多くて信用出来なかった事などが原因で縁に恵まれなかったと言う。
「まあ、周りにいる女性は殿下目当てでしたし、一緒に話を聞いていても、女性の話題には全く付いていけなかったので、特定の女性と2人っきりで会って話すなど、想像が出来ないのですよ」
と肩をすくめた。
「でも、今私と2人ですけど?」
「アンジェリーナ嬢と話すようになって、女性の話がお菓子の話とドレスの話以外でも成立するのだと、初めて知りまして…」
殿下の、周りにいた令嬢ってそんな方ばかりだったのですね…
まあ、考えてみれば婚約者がいるのに殿下に群がっていたような人ですもんね。
よく、アンヌリーブ様に危害を加えなかったと今更ながらに思ってしまいました。
まあ、こう言う人達は権力に弱いですもんね。
ユーリアさんみたいなのは特別ですよね。
「エミリーは、知的な会話が出来ますし、殿下の取り巻き達とは違うと思いますよ」
「そうだろうな 園芸部の部長として部長会などでも、しっかり活動しているのは見ていたんだが」
なるほど、セルビ様も殿下のお世話以外にも、3年生の学年部長を努めていますものね。
この学校は各学年に、クラス委員と学年部長と、言うのが存在します。
学年部長は学期末試験で1位になった人が指名される事になっています。
この学年部長とクラス委員と各部の部長が、生徒会のような事をしてくれています。
「学校の優秀な生徒としてのエミリー嬢はある程度分かるのたが、それ以外の部分を友人のアンジェリーナ嬢に聞いてみたかったのだ」
セルビ様は堅物感はありますけど、優秀で誠実で男気もあると思ってます。
友人として見ても非の打ち所がないでしょう。
エミリーもそれは一緒。
欠点なんてある?みたいな人だもん。
見た目も可愛らしいし、趣味の植物の世話をしている時は慈愛の満ちた女神のようだし、勉強もしっかり出来て友達想い。
人が良すぎる事が欠点になっちゃうくらいの優しい人だ。
セルビ様の苦手なおしゃれの話をわざわざ男性にするような事もないだろう。
ちゃんと相手に合わせた会話の出来る頭の良さは持っている。
私にはこの2人がとてもお似合いに感じた。




