王妃様のひとりごと
王宮の王妃専用サロン
侍女が持ってきたコーヒーの香りに包まれながら、王妃は満ち足りた顔で目を閉じている。
ライアンと、アンジェリーナの婚約解消は上手くいった。
これでやっとアンジェの笑顔を守ることが出来た。
私の夢、アンジェリーナ。
あなたには自分の思う通りに生きて、好きな相手と幸せになってほしい。
ヴォルフ・スターレンは誠実で、何より彼女に愛情をもっている。
アンジェリーナを任せるに値する男と認めて間違いないだろう。
「本当によかったわ」
そう言ってコーヒーを一口飲んだ。
後はライアンの事ね。
婚約は整ったが将来どちらの国に帰属する事になるかはまだ決っていなかった。
ファンブール公国としては、立太子だった、アンヌリーブの兄がクーデターまがいの騒ぎを起こして廃嫡しており、今は王弟殿下が補佐する形で代理の王位に就いている。
だが、彼としては姪のアンヌリーブに女王陛下となって次の王位を継いでほしいと願っている。
そうなると、ライアンは王女の婿としてファンブール公国に嫁ぐことになる。
だが、夫であるわが国の王は難色を示していた。
私としては願ってもない話だと思うのに。
この国はジュリアスが王になれば何の問題もない。
ハッキリ言えば、ジュリアスの方が万事有能だし、それを陛下も分かっているのに。
あくまでも、生まれた順にこだわってバカみたい。
私は今も昔もライアンが王位に就くことを願っていないのに。
私の意志をもう少し強調しておこうかしら。
明日にでも陛下にコーヒーをご馳走しましょう。
「フフフ あの人 まだコーヒーを飲んだ事なかったわね」
私がわざと教えてあげなかったから
私の周りのみんながコーヒーに夢中なのに、可哀想な陛下。
私はたま~にこうして夫に意地悪をして、溜まった怒りを解消していた。




