会えなくても平気
次の日、辺境伯爵ご夫妻が帰られる事になり、お見送りの為にホールに集まりました。
エリアノ様が私に近づき手を握ってこられました。
「アンジェリーナ様、娘と呼べる日を待っていますわ。
でも、その前に学校の休みの時にでも我が領に遊びに来て。
お待ちしておりますよ」
「ありがとうございます エリアノ様。
私も早くお義母様とお呼びしたいですわ」
「カミラ様、ぜひアンジェリーナ様と一緒に我が領へおいで下さいね」
「ええ、楽しみにしておりますわ」
お母様もエリアノ様とは意気投合したようで、昨日から楽しそうにお二人でお話しされてましたもんね。
お父様たちも、若い頃に戻ったように楽しそうだったし。
私達の婚約で皆が楽しそうなのは、幸せが2倍にも、3倍にもなります。
ヴォルフ様も嬉しそうに、私達を見守っています。
辺境伯様達が馬車で帰っていかれた後、ヴォルフ様と今後の話をしました。
夏前には、騎士団を辞する事になりそうだと言うお話しです。
「半年くらいしたら、1度こちらへ戻ると思うよ、父とも話し合って王都にタウンハウスを用意する事になったから、アンジェの父上の口利きでいい物件が押さえられそうなんだ」
辺境伯様は、今まで辺境からあまり出る事もないから、面倒に思ってタウンハウスを用意しなかったそう。
でも、私達の婚約を機にもう少し行き来を考えるそうだ。
それに、伯爵はまだお若いから、直ぐに爵位を譲る気もないだろう。
私達が結婚した後、直ぐに辺境へ引っ込む必要はないとも言われたから、その辺の事も考えてくれているのかもしれなかった。
「騎士団を辞めた後、いろいろ手続きと、父上の代わりにこちらでやる仕事もあるから、その間はここにまたお世話になるから」
そう言って優しい眼差しを向けてくれました。
大丈夫、ちょっとの間寂しいかもしれないけど、私達の間にはしっかりとした信頼がある。
お互いに同じ想いで結ばれているって、心の中には嬉しさ、愛しさがいっぱい詰まっていて、頑張れる気がする。
一緒にいても、心が通わない虚しさに比べれば、少しの間会えないくらいなんでもなかった。




