婚約披露パーティー
ホールから、人の熱気が伝わってきます。
入口で待機している私とヴォルフ様。
今日は私達の婚約披露パーティーです。
「こうしていると、誕生日パーティーの時を思い出します。
あの時、隣にいるのはウォル兄様だったけど…」
「あの日、君に再会して、こんな日が来るとは、思っていなかったよ」
私はあの時、探していたあなたを見つけて驚いたのよ。
どうやってお近づきになろうかと思っていたら、兄様の親友だったなんて…
あれは神様からの誕生日プレゼントだったのかも。
「アンジェ、昨日父からそろそろ領地に戻って跡取りとしての準備を始めるように言われたんだ。
だから、近いうちに騎士団は辞める事になる」
「まあ、では今のように簡単には会えませんね…」
「さすがに、学校を辞めて付いてきてくれとは、言えないからね」
「そうですね そう言われたら、悩むと思います。
友達と別れるのも寂しいですもの」
「学校生活はとても貴重で、いい思い出がたくさん作れる時期だ。
アンジェのその楽しみを奪いたくない」
そう言って繋いでいた私の手にキスを落とす。
もう~顔がニヤニヤしちゃうから、やめて下さい。
「ヴォルフ様、これから皆さんの前に出るのに、顔が赤くなるからやめて下さい」
「今日は私達の幸せいっぱいの様子を見せる会だから、いいのではないか?」
そう言ってもう一度キスをされた。
「ヴォルフ様!」
「すまん、すまん」
クスクス笑いながら謝られてもね。
「そう言えば、母上がダンス披露を楽しみにしてると言っていた」
「エリノア様が?」
昨日ご挨拶させてもらったヴォルフ様のご両親のスターレン辺境伯様もエリノア様も私達の婚約をとても喜んでくださった。
エリノア様はとても凛々しい美しさをもった方で見惚れてしまった。
とても凛としたオーラをお持ちなのに、目元はこの上なくお優しくお話すればとても気さくな方でなんとも魅力的だった。
お父上のスターレン辺境伯様は最初は寡黙な印象だったけど、お父様と話す姿は気さくなおじさまだった。
まさかお父様と学校のクラスメートだったとは…
お父様ったら、私だけでなくウォル兄様とヴォルフ様にまで言ってなかったらしい。
お父様とスターレン辺境伯様はいたずらが成功した子供の様によろこんでいる。
初めてヴォルフ様のご両親に会う為に緊張する私にとっては有り難かった。
昨日の事を思い出しているうちに、会場に入る合図を送られた。
「さあ、行こう」
私はヴォルフ様が差し出した腕に自分の、腕を絡めてニッコリ微笑んだ
「よろしくお願いします」
私達は会場へ足を向けて歩きだした。




