ユーリアの暴走
ぶつかられて、よろけた私をキャロルが支えながら声をかけてくれました。
「アンジェ 大丈夫ですか?」
「キャロル ありがとう」
そして倒れている人物を2人で確認すると、それはなんとユーリアでした。
「あの… あなた大丈夫?」
私が声をかけると、ガバッと起き上がり。
「アンジェリーナ様、 ひどいですわ!
私を突き飛ばすなんて!」
と大声で叫びました。
「「は?」」「え?」
「なんですって?」「…」
皆が各々頭に?マークが浮かんでいます。
この人は勝手に転んで、何を言っているのかしら?
「ひどいです! ひどいです! いくら殿下が私に好意を持ってくれているからってそんなに苛めないで下さい!」
あまりにも大きな声で騒ぐので、何となく周りでこちらを伺う人たちが…
「あなた!なぜそのような嘘を言うのです?」
クラリッサが声を荒げながらいいます。
「嘘じゃありません!
私は毎日殿下と一緒にいるんですから」
「確かに毎日、あなたを見ますけど、ライアン様はあなたに声も掛けないではありませんか」
アンヌリーブ様も反論します。
「あなたは黙ってて下さい。
私はアンジェリーナ様に言ってるんです!
アンジェリーナ様 あなたは私に嫉妬して、私に嫌がらせをするんですね!」
なんだか、こんな茶番に付き合うのが面倒臭いです。
面倒臭いけど、アンヌリーブ様の盾にはなれているのかしら?
とりあえず、この場をどうやって、凌ごうかしら?
どっちにしろ、また新たな噂が立ちそうだけど…
「自分からぶつかりに行って転んでおいて、突き飛ばされたなどと、よく言えるな!」
いきなり後ろから声が聞こえました。
見るとセルビ様が腕組みして、ユーリア様を睨んでいます。
「そ、そんな事してません。
本当にアンジェリーナ様が私を突き飛ばして…」
「私はずっと後ろから見ていたのだが?」
「え?」
ああそうか、セルビ様はアンヌを影護衛してたのね。
そうよね、この後アンヌは殿下のところへ行くだろうし、いつも迎えに来るセルビ様がいてもおかしくないわ。
ユーリアは周りに誰もいないと思っていたようだけど、離れていても、アンヌリーブ様に気を配っているセルビ様にはしっかり見られていたって事かしら?
「そんなの、トーマス様の見間違いじゃありませんか?
遠くから見ていて見えなかったのではないですか?」
「いいだろう、仮にそれが見間違いだとしてもライアン様があなたに、好意を持っているなどのデマは聞き捨てならない!」
「デマでは… ないです」
どんどん声が小さくなってます。
「もし、あなたが言っている事が本当なら、ずっと殿下の側にいる私がそれを知らない訳があるまい。
あくまでも真実だと言い張るなら、不敬罪も覚悟で言っているのだろうな?」
「え? そんな大袈裟な…」
「大袈裟でも、なんでもあるまい。
ユーリア嬢、あなたと殿下が噂になると言うことは、殿下が不貞を疑われかねない一大事なのだぞ!」
「ひっ! そんな…」
「ここで、しっかり否定するなら、今回は大目に見よう。
心して答えてもらおうか!
どっちだ! 嘘か!真実か!」
「私の勘違いです!
すいませんでしたー!」
ユーリアは凄い勢いで逃げていきました。
うーん。
貴族の令嬢があの走りっぷりはどうなのでしょうか?
でも、退散してくれて助かりました。




