お互いの気持ち
アンヌリーブの涙を見た瞬間体が勝手に動いた。
彼女を引き寄せ、抱きしめた。
アンヌリーブを守るはずの私が彼女を泣かせる事が腹立たしかった。
「ラ、ライアン殿下」
「あなたを泣かせるような事はしたくない。
約束する。
私は婚約者となったあなたに辛くあたるような事は絶対にしない!」
アンヌリーブ嬢はまた涙をいっぱい貯めて、それでも今度は微笑んでくれた。
「ほ、本当ですか?」
「ああ、絶対に大切すると誓う」
しばらくそのまま2人でお互いの存在を確認しあうように、寄り添っていた。
その後やっと泣き止み落ち着いた、アンヌリーブ嬢を座らせてぽつりぽつりとアンジェリーナの事を語った。
なぜだか、勝手に決められた婚約者が好きになれず、彼女が何をやってもいい感情をもてなかった事。
自分の母親が彼女ばかりをかばい可愛がる事。
優秀な婚約者と常に比較されうんざりしていた事
「こんな女々しい事を聞かせてすまない、ただここで嘘をついては、あなたに私の本気が伝わらないような気がして」
「いいえ、真剣に悩んでいた話を聞いて女々しいなんて思いません」
「今思い返せば、彼女もきっと困っていたと思う。
でも自分の気持ちすら、もて余していた私は彼女を気遣う余裕などなかった。
それを周りからみたら酷い態度に見えただろうな」
「わたくしアンジェリーナ様にお伺いしたのです。
全然一緒にいる所を見かけないけれど、本当に殿下の婚約者なのですか?って…
そしたら、殿下に嫌な思いをさせないように学校では関わらないようにしていると言っておられました。
それに、自分は嫌われているからと」
「そうか、アンジェリーナにも悪いことをしたな…
やっとその事に気付く事ができた。
そう気付けたのは、あなたのお陰だアンヌリーブ嬢」
「わたくしの?」
「あなたを好きになることで、相手の事を思いやる気持ちが分かった。
だから、あなたのお陰だありがとう」
「素直な気持ちを教えていただけて、嬉しいです。
わたくしこそありがとうございます」
「このまま、私達の婚姻は進めてもいいだろうか?
私の妻になってもらえるか?」
「はい!喜んで」




