夢の中で
食事を終えて、部屋に帰るとエマが湯浴みの支度をしてくれていた。
この世界のお風呂って大変だな~
わざわざお湯を運び湯舟を張らないといけない。
エマと他の侍女達に感謝しつつ、お風呂に入った。
ベッドに入って、気が抜けた。
「はあー」
いきなりの出来事にびっくりして少し気が高ぶっていたから、気付いてなかったけど…
やっぱり慣れない事が山のように押し寄せて、結構参っていたみたいだ。
体が鉛のようだった。目を閉じたら沼に沈むように眠りに引き込まれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あれ?前のおばさんだった私にもどってる!?
自分でおばさんおばさんって言ってるけど、見た目は結構若かったのよ。いつも40過ぎには見えないって言われてたんだから。
ってそれはいいんだけど。ここはどこだろう?
あれ?前から現れたのはアンジェリーナ!?
やっぱりこれは夢なのかな?
アンジェリーナは涙をいっぱい溜めて、私に抱きついてきました。
「アンジェリーナ?」
声をかけると、更に力を入れて抱きしめられた。
「ありがとう。もう1人の私」
そうアンジェリーナは言う。
「なに?私何かした?」
アンジェリーナは、自分の悩みも悲しみも全て分かってくれた。初めてありのままの自分を分かってくれる人が出来たと言ってまた涙を流した。
どうやら、私とアンジェリーナの心は私が転生を確信してから、お互いの記憶を共有し、お互いに共感し合ってきたらしい。
私が自分の死をすぐに受け入れられたのも、私の悲しみと絶望を半分アンジェリーナが引き受けてくれたからみたいだ。
そうよね。いくら経験を積んだおばさんだって、死んじゃったら、未練も一杯あるよね普通は。
しかも殺されてるんだから、恨みとかも…
でも悲しみに胸が痛まないのはアンジェリーナのお陰だったんだね。
「こちらこそ、ありがとうアンジェリーナ」
私が笑って言えば、アンジェリーナも微笑んでくれた。
「アンジェリーナはこれから、どうしたい?」
少しでも幸せになってほしい。もちろん私のことだし!
「ライアン殿下とは…」
アンジェリーナが速攻で首を振る
「あ、やっぱり嫌い?」
「嫌いって言う感情すらないかも。」
なるほど。むしろ無ですね。
感情すら湧いてこないと言うことか。
まだ会ってないけど、ライアン…残念な男。
「じゃあ他に気になる人とかは?」
「えっと…」
言葉じゃなくて、映像が頭の中に流込んできた。
ガタイのいい男の人…騎士かな?
??
あれはアンジェリーナかな?
まだ、可愛い女の子と言っていい位の昔のアンジェリーナ?
庭園で転んだのを助けてくれたのか…
わあ、お姫様抱っこで連れてきてくれて、手当ての手配もしてくれたんだ。
しかもとても素敵な笑顔だな~
女の子が怖がらないようにしてくれてる。
へ~ 紳士的だね。しかも結構イケメンだ。
「アンジェリーナこの人何処の誰だか知ってるの?」
「スターレン辺境伯爵令息よ。名前はヴォルフ様」
「へー 素敵な人ね」
「ええ」
「「ふふ、あははは」」何となく2人で笑い合った。
気がついたら、朝になっていた。
私はまたアンジェリーナにもどっていた。




