直接来られたら断れません
何事もなく数日が経ちました。
アンヌリーブ様は数人の令嬢とも仲良くなったようで、わざわざこちらに声をかけてくる様子もない。
そもそも席が遠いので接点がないのもありがたかった。
授業の終了の鐘が鳴った。
さて今日はエミリーと園芸部に参加しようかなぁ。
実は園芸部のみんなが私の状況(まだ王子の婚約者)などの忙しさを考えて客員扱いの部員にしてくれたのだ。
みんなとっても優しいのですよ。
試験や休みがあって、このところ部活はなかった。
だから、部活に行けると思うとなんだかウキウキしてしまう
なんて考えて、ちょっと油断してた!
「あの、よろしいですか?」
振り向くとそこにはアンヌリーブ様がいた。
え?私?
一瞬誰かと間違えたのかと、周りを見回した。
「アンジェリーナ様ですよね?」
名前知られてましたか…
「はい…」
「ずっとお話したかったのです。よろしかったら、これから少しお付き合いいただけませんか?」
ああ、 私のスローライフ園芸部の部活がぁー
久しぶりに行けると思いましたが断念するしかないですよね?
アンヌリーブ様と一緒になんて行きたくないけど…
断れるわけないじゃん!
「わかりました。どちらへ?」
意を決して答えました。
「では、温室のカフェに行ってみたいのですが、ご案内頂けますか?」
「はい、ご案内いたします」
近くでキャロルとクラリッサは様子を見ていてくれたので、目で今日は誰とも付き合えないことを察してもらった。
冬の間だけ、温室で仮設のカフェが開く。
いつもは4人でワイワイケーキを食べておしゃべりするのだけど…
席について、注文を済ませて改めて向き合っていると緊張が増してきた。
「同じクラスですけど、話すのは初めてですねアンジェリーナ様」
どういう意味かな? やっぱり無視して挨拶に行かなかったから、怒ってる?
「ご挨拶が遅れまして、申し訳ありません、アンヌリーブ様の周りはいつも賑やかですので、気後れしておりました」
嘘ではないわよね?
みんな王女様とお近づきになろうと、いつも人が取り巻いていたもの。
そんな中に私が入って行ったら、どんな噂をされることか…
「いえいえ、勘違いなさらないで、挨拶に来ないと文句を言っている訳ではないのです」
じゃあ何だと言うのかしら?
何と言っていいか、迷っていると
「ライアン殿下の婚約者様とお話がしてみたかっただけですわ」
そう言ってニッコリ微笑まれた。
やだー
怖い!




