ジュリアス殿下
ウォル兄様とのダンスが終わって、少し休憩するために、ダンスホールから離れます。
ヴォルフ様が果実水を手に向かえてくれました。
「喉が乾いただろう」
そう言って手に持っていたグラスを手渡してくれました。
「ありがとうございます」
「ヴォルフ~ 僕には?」兄様が拗ねながら、聞いてます。
ヴォルフ様は苦笑いしながら、ワインのグラスを渡しました。
「お二人は本当に仲良しですね」
そう聞けば
「「腐れ縁だ(さ)」」と返ってきました。
何でも学生時代から3年間同じクラス、寮も同じ部屋だったとか…
ちなみに兄様は家から通うのが面倒だと、寮生活をされていました。
「その上騎士団に入れば、また同じ第1騎士団で、同じ班だし」
はあ~とため息をつくヴォルフ様。
「それは、こっちのセリフだよ」
と応じる兄様。
ふふふ、やっぱり仲良しじゃないですか。
兄様にとってヴォルフ様は信頼のおける掛け替えのない友なのでしょう。
嬉しいことに、その友を兄様は私に推してましたよね?
早く婚約破棄してもらいたいな~
いやいや、破棄より、解消か。
年が明けて少しすれば、ヒロインも現れるから対策も考えないといけないな~。
そんな事を考えていると、ジュリアス殿下が近付いてきました。
「アンジェ姉様、ダンスのお相手をお願いします。
ウォルター様いいですか?」
「ええ、殿下アンジェリーナをお願いします」
ウォル兄様も私達の仲の良さを知っているので、快く送り出されました。
アンジェリーナはライアン殿下の事とは違い、昔からよくジュリアス殿下の事は話していたからでしょう。
ジュリアス殿下にエスコートされて、もう一度ダンスホールに戻りました。
ちょうど始まった曲は少しスローテンポで、久しぶりのおしゃべりがしやすくて、タイミングがいいです。
「アンジェ姉様、ホントに別人みたいですね。母上から聞いてずっとお会いしたかったのです」
「ふふふ、そんなに変わりましたか?」
「ええ、でもこの方が何倍も素敵です。ただ姉様に懸想する殿方が増えそうで心配です」
「私には一応婚約者がおりますよ」
「姉様は、兄上にはその姿を見せていないと聞きました。綺麗に変身した姿を1番最初に見せたいのは、兄上ではないのですね?」
ジュリアス殿下は私をじっと見つめながら、聞いてきます。
よく私の事が分かっていらっしゃいますね
だてに姉弟のように仲がよかった訳ではないですね。
彼との思い出もどんどんよみがえってきました。




