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ニヤケがとまりません

「信じられませんか?」


「いいえ、そうではありません。

姉上の変化は私も驚きましたし、なぜいきなりと不思議でした。

今の話を聞いて頷ける部分も多いですし…」


「でも、にわかに信じられない話。と言うところですか?」

私はもう一度ジュリアス様の気持ちを代弁します。


「いきなり過ぎて、理解が追い付かないと言いますか… で、でもトーマスは信じたのでしょう? 

あのトーマスが姉上の話を信じたのであれば、間違いなくそうなのでしょうね…」

ジュリアス様もセルビ様には一目置かれているのね。

彼に力を借りた事がここでも役に立つなんてね。


「この国に起こるすべての未来が分かるわけでもなく、あくまでも私の周りで起こる筈の未来しか分かりません。

だから、それを証明するのはなかなか難しいです」


半信半疑のジュリアスに話して協力を仰ぐのは難しい?

それとも、フリオール様がアンヌに言い寄る可能性があると言って見守ってもらえればいいのかしら?


それぐらいの言い方なら半信半疑でも、未然に防ぐ為に気に掛けては、くれるだろう。


「ライアン様と婚約解消して、私は修道院へ送られる未来は回避しました。

その上新たな婚約者まで見つけられた私がなぜ今のタイミングでジュリアス様にこの事実をお伝えしたかには理由があるのです」


私は修道院へ送られた後、ライアン殿下と結ばれた令嬢の間に割り込んでくる恋のライバルがいる事。

それによって三角関係が始まってしまう未来が見えたと言います。


「この事を私はすっかり失念していたのですが、フリオール様が留学されてきて思い出したのです」


「それはつまり兄上の恋のライバルが…」


「はい、フリオール様なのです」

しっかり目を見て頷きながら言う私。


目を丸くして、驚いている…

だけど、私が相談をした意図や信じざるを得ない状況だと理解した事が分かる顔の変化。


うーん。何度も言いますが… 見てて分かりやすいのはいいんですけど、王子としては駄目ですよ。



でも、さすがの理解力と頭の回転の速さはライアン様にはない優秀な第二王子殿下ならではですね。



「正直、私が無事に婚約解消をして未来が変わっているので、どこまで私の記憶と重なる所が出てくるのか、私にも分からないのです。

でも、ちょっとでも懸念があるなら、払拭しておきたいの。

私の見た未来ではライアン殿下と結ばれたのは男爵令嬢でアンヌリーブ様ではありませんでした。

そこを取っても違った未来になったので、もしかしたらアンヌリーブ様にフリオール様が興味を示される事はないかもしれません。

でも、可能性が0でない限り念には念を入れたいのです。

私はアンヌリーブ様の為なら、石ころ1つでも取り除いて置くつもりです」

話しているうちになぜか握り拳を作り力説してしまった。


いけません、友達の事になるとついついムキになってしまう私。

こちらを目を丸くして見ているジュリアス様。


「ぷっ! くっくっく…」

何か凄い笑いを堪えられている。

そんなに可笑しかったかしら?


「ジュリアス殿下? 私は本気で言っていますのよ」

こちらも赤くなる顔を横に向けながら、真面目にいいます。


「ご、ごめんなさい。姉上があまりにもムキになって言うものですから… 

姉上がアンヌ姉上様をとても大切に思っていらっしゃる事がよく分かりました。

アンヌ姉上様も姉上の事となると同じ様な反応をよく示されるので、何だかおかしくなってしまって」


「それは、初耳です」

そう言えば、学校から王宮に戻ってからのアンヌの様子はあまり知らなかったな。


ジュリアス殿下も直接会いに行く事はないが、王妃様を通じてお聞きになったり、王妃様と3人で会う事はあるそうだ。


アンヌは私の話を出すと話が止まらなくなるとジュリアス様は笑って言った。


そんな事を言われると嬉しさと照れる気持ちでソワソワしてしまう。


今はそれよりもこれからの対応をお願いするためにジュリアス様を納得させないといけないのに…。

どうしましょう顔のニヤケが我慢出来ない。




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