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放課後の教室で

放課後、教室でゆっくり帰る支度をする。

ジュリアス様が迎えに来ると言っていたから、ここで待っていないといけない。


「アンジェ?」

教室を出ようとしていた皆が私を見ています。

「ごめんなさい。

今日はジュリアス殿下を待っているから」

それだけ言うと皆は大体察してくれます。

また何か相談に乗るのだろうとか、お願いされたのかしら?とか各々思っている顔をしています。


今回は私がお願いするんですけどね。


「そう、じゃあまた明日」

「アンジェ、ごきげんようまた明日ね」クラリッサ達は手を振り出ていきました。



「ジュリアス殿下がここへ来るのかい?」

いきなり後ろから声を掛けてきたのは、フリオール殿下だった。


一体誰のせいで私が奔走する羽目になっていると… いやいやそれは八つ当たりか。


「フリオール殿下、まだ帰らないのですか?」

イヤな顔は見せないように、気をつけながら話しかけます。


「うん。これから部活見学をしようと思ってね。

それより、殿下はやめてくれないかな。

クラスメートなのだし」


「そうですか… ではフリオール様」


「…うん」

まだ少し不満気に返事をするフリオール殿下。



「入りたい部は決まっておりますの?」

興味はあまりないけど、どこへ入るか把握は必要よね。

「うーん。天文部か化学部かな」

あら意外。


「フリオール様は天文学などにご興味がおわりなんですか?」


「うん。そっちの学問を学ぶためにここへ来たんだ。この国は天文学や理化学何かも学校の授業に入れていて珍しいからね」

フリオール様が言われた天文学などは必須科目ではないため、午後の自由研究用の授業ですけせどね。

自分で選択しないと受ける必要は出てこない。


でも、それが目的でこの国に留学してきたのかな?


「そうですか。殿下のお目に叶う部活だといいですね」

私はそろそろ話を切り上げたくって言った。


「うん。楽しみにしているところさ」

って出ていかないの?

何でまだ私の側にいるんだろう?


「「……」」

2人でお互いに微笑みあう変な時間が訪れている。

これは何の時間?


「フリオール様?」


「ん? ああごめん、せっかくジュリアス殿下が来るなら、挨拶していこうと思ってね」

ああ、そう言う事ね。

王子殿下が来ると聞いて、知っているのに挨拶もしないで立ち去れないと。

王族同士の配慮だわね。


入口へ目を向けながら、また話を再開したフリオール殿下。

「アンジェリーナ嬢は新しいライアン王子の婚約者と随分仲がいいのだね。

この前話を聞いた時は、いろんな配慮で私に注意を促してくれたのかと思っていたけれど、今日あなた方の様子を見ていると純粋にアンヌリーブ嬢の事を心配して彼女が傷付かないように俺に釘を刺したのだと分かったよ」

ふーん随分観察されていたのね。

それに、洞察力も高そう。

こちらの思惑はちゃんと汲んでくれるのはありがたい。


ライアン殿下じゃこうは行かないもん。



どのように答えようか、考えなが笑顔だけ向けていると、

「姉上、お待たせしました」

ジュリアス様が教室の扉前から声を掛けて入ってきました。


「ジュリアス殿下お迎えありがとうございます」

私がホッとしたよう笑顔で答えると、横にいたフリオール様に気付いた様で慌てて挨拶をするジュリアス様。


「失礼しました。フリオール殿下もいらっしゃったのですね」


「ジュリアス殿下が来られると聞いて一緒に待たせてもらいました」


「私に何かご用ですか?」


「いえいえ、この国へ来た初日にご挨拶した以来でしたから、改めて挨拶をと思っただけです」

人懐っこい笑顔で答えるフリオール様。


「そうでしたか、こちらこそ本当は朝ご挨拶に伺う予定だったのですが馬車の脱輪事故に巻き込まれまして遅刻寸前だったもので」


「まあ、大丈夫だったのですか?」

初めて聞く話で私が驚きました。


「ええ、学校への道で脱輪した馬車が横転していまして、その処理を指示してから来たのです。

幸い大きな怪我人もいませんでしたので」


「殿下の馬車に何事もなくて良かったですわ」

巻き込まれたなんて言うからびっくりしたじゃない。

と内心苦笑いしながら笑顔で応じた。


「では、僕はこれで部活見学に行ってきます」

と私の手を取り甲にキスを落とすフリオール様。


さすが、人の婚約者に手を出す三角関係の男ね、女性のあしらいが上手い。

と頭では感心しながらも初心なアンジェリーナの体は反応して顔が赤くなる。

おばさんが手の甲のキスくらいで照れるなんて…と思うのだけれど、見た目のいい男性の不意打ちなサプライズはしょうがないですよね。


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