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初登校

「おはようございます。アンジェ」

クラリッサが何だか急ぎ足でやってきました。


「おはようございます、クラリッサ。

どうしたの? 何だか慌てていない?」


「アンジェ大変ですわ、ミレーヌ様が! ミレーヌ・ダンテール公爵令嬢が登校されたのです。

先程職員室の前で見かけましたの」


ああ、それでクラリッサは慌ててたのね。

昨日の話は今日のお昼にでも、皆に報告しようと思っていたのだけれど、その前にばれちゃいましたね。


「実は昨日ノエラ様と一緒にミレーヌ様の元へ行ったのよ。

その話はお昼休みに皆に話そうと思っていたの」

とクラリッサに説明します。


「ああ、そう言う事でしたのね。

では、アンジェ達はミレーヌ様を説得出来たのですね」


「ノエラ様がね。 それに学校に来ない要因になった人はもういないですし」

バルバラ…

そう言えば修道院へもう出発されたと聞きました。


彼女もミレーヌ様と一緒。

これから今までと違った日々を送る第一歩ですね。


バルバラ、彼女のしたことは許せないけど、これからはちゃんと誠実に生きてほしい。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「体の具合が良くなってよかったですねミレーヌ・ダンテールさん。

今日からはBクラスで授業を受けてもらいますが、お休みが長かった分皆に追い付くのは大変ですよ。

頑張ってください、私も協力は惜しみませんので」

とBクラスの担任から激励される。


職員室を出て歩いていると、後ろから呼び止められた。


「ジュリアス様、おはようございます」


「おはよう、ミレーヌ嬢いよいよ今日からだね。

何か困ったことがあったら何時でも私を頼ってほしい。

君にはノエラ嬢が親友でオレリア嬢とリゼット嬢が姉の様な存在なのだろうけど、私も友人の1人だと自負しているからね」

と照れながら言うジュリアス殿下。


「ありがとうございます、ジュリアス様。私も大切な友達だと思っていました。

畏れ多いことですが、これからもそう思ってもいいのですか?」


そう言われたジュリアスはにやけない様に口元を手で隠しながら

「も、もちろんだよ。

これからもよろしく。

で、では私は用事を思い出したからこれで」

となんだか慌ただしく去っていかれた。


「私、何か変な事言ったかしら?」


人に興味を持ち始めたばかりのミレーヌにはジュリアスの照れている気持ちまでは分からなかったようです。


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