仲直り
シモーヌ・ダンテール公爵夫人と私達が、お茶を頂きながら待っていると1時間程して、先程の侍従長が私達を呼びに来ました。
「失礼します。ミレーヌお嬢様が皆様にお会いしたいとおっしゃっております」
そう告げられた。
「ノエラ様は上手く仲直り出来たと言う事でしょうか?」
オレリア様が期待するように言います。
「そうですね… いえきっと、そうだと思います。
行きましょう」
私は自分に言い聞かせるように言い侍従長について行きます。
ダンテール公爵家の図書館は大きな庭の中に建てられていました。
一家で読書好きと言う事で何代か前の当主が建てた物だそうです。
レンガの外壁に蔦のからまった素敵な図書館です。
中へ入っていくと、気が付いたノエラ様が走り寄ってきました。
「アンジェリーナ様、私の親友を紹介します」
そう言って泣き腫らした顔を笑顔に輝かせて言います。
どうやら仲直り出来たようです。
「嬉しいわ、お願いします」
そう言って頷きます。
奥のソファーに腰かけていたミレーヌ様が立ち上がりこちらを見て微笑んでいます。
そしてミレーヌ様の顔もやはり泣き腫らしたような様子です。
私達はミレーヌ様の近くまで歩いて行きました。
「アンジェリーナ様、こちらが私の親友のミレーヌ・ダンテール公爵令嬢です。
ミレーヌ、こちらがいろいろお世話になったアンジェリーナ・ラフォール侯爵令嬢です」
ノエラ様はそう言って私達を引き合わせてくれました。
「ミレーヌ様はじめまして。
アンジェリーナ・ラフォールです。
やっとお会い出来ましたね」
そう言って挨拶した。
「はじめまして。
ミレーヌ・ダンテールです。
私に会いたかったと言う意味ですか?」
なんで? と不思議そうに見ているミレーヌ様。
「はい。ジュリアス殿下からも、オレリア様達からもミレーヌ様のお話は聞いておりました。
でも、お会いする機会がなかなかありませんでしたから」
と説明しました。
「そうでしたか…
でもこれからは大丈夫です」
とミレーヌ様はニッコリ笑います。
「え?」
「学校で会えますわ」
ミレーヌ様はそう言って笑いました。




