まだあった、バルバラの悪知恵
午後、クラリッサと1年のエリアへ訪れました。
私が休んでいる間にノエラ様が登校を再開したと聞いたからです。
「ノエラ様」
前を歩く令嬢達に向かって私が声を掛けました。
ノエラ様と一緒にいたのは、3人組のもう1人コレット様でした。
「アンジェリーナ様! お体はもうよろしいのですか?」
私を認めたノエラ様は慌てて走ってきました。
「ええ、今日から登校したのよ」
「そうですか、ご無事で良かったです。
話を聞いた時は私のせいじゃないかって…」
「何を言っているの?
あなたのせいな訳ないわ。
悪いのは全てバルバラ様と彼女に善悪を教えられなかった侯爵のせいよ」
隣でクラリッサはウンウン頷いています。
「あなたが気にやむことは何もないわ」
私は手を握り笑顔でいいます。
ノエラ様はやっと安堵してくれました。
「あ、あのアンジェリーナ様。
以前の非礼をお詫びする機会を頂けないでしょうか」
コレット様がおずおずとノエラ様の横から声を掛けてきました。
「コレット様ごきげんよう。
以前の非礼って?」
「最初にジュリアス殿下の教室で会った時のことです。
私ずっと気になっていて」
「あのアンジェリーナ様、私が学校へまた出て来れるようになったのは、コレット様が家まで迎えに来てくれたからなんです。
実はコレット様もバルバラ様に弱みを握られていて、私と同じ様な立場にあったのです」
とノエラ様がコレット様の事を教えてくれました。
私達はバルバラ様とコレット様はもっと仲良くやっていると思っていましたがそうではなかった。
コレット様にはとても可愛がっている妹がいて、その子が音楽が大好きでピアノとバイオリンを習っているそうです。
ある時、とても有名な先生に習える事になったと言います。
しかしその先生がバルバラが懇意にしている人で、下手にバルバラの機嫌を損なうと先生に妹のあることない事を言うと脅されたそう。
コレット様はバルバラ様の言いなりにならないと妹に迷惑が掛かると言う構図を作られていたようなのです。
そう言う悪巧みは天才的な才能を見せていたバルバラ。
果たして修道院で更正できるかしら?
一抹の不安がよぎります。




