突然の再会
「アンジェ、ちょっといいかい?」
テラスから戻ると、ウォル兄様に声をかけられました。
「僕の友達を紹介するよ」
そう言って1人の背の高い男性を連れて近づいて来ました。
あれ?
騎士の礼服を着たその方の顔に見覚えが…
「こいつはヴォルフ・スターレン学生時代の悪友で、今も騎士団で一緒だ」
「はじめましてアンジェリーナ嬢… と言いたいけど、覚えておいでかな?
昔1度会っているんだが…」
「!?」
ヴォルフ様!え? 兄様の友達だったの?
アンジェリーナも兄の友人だとは知らなかったようだ。
まさか、近況を知りたかった相手が向こうからやってくるなんて!
「はい。覚えています。
王立公園の庭園で私が迷子になった上に、転んで動けずに泣いていた時に助けて頂いた騎士様ですよね?」
「ああ、でもあの時はまだ騎士ではなくて、学校の騎士訓練の最中だったんだ」
そう言って頭をかいている
そうだったんだ~それもそうかウォル兄様と同じ年ならあの時騎士団に入ってる訳ないよね。
アンジェリーナとウォルターは5つ年が離れている、ヴォルフ様と合った時のアンジェリーナは11、2才頃だもんね。
ヴォルフ様は学生の年頃だ。
「ウォル兄様、私あれから1度もヴォルフ様にお会いしたことなかったですよね?
ウォル兄様の友達なのに…」
ちょっと不思議に思った。
「ああ、それはアンジェを見つけて保護してくれた後、こいつが家の事情で1年位領地に戻ってしまってね。
で、数年前に戻って来て騎士団に入団したんだよ。
その頃にはお前はお妃教育で忙しくなって家になかなかいなかったろ?」
なるほど、知らないうちにすれ違っていたのね。
でも、探す手間が省けてラッキーだったな。
「そうだったのですね。改めまして、妹のアンジェリーナ・ラフォールです。
その節はお世話になりありがとうございました」
「いや、とても素敵なお嬢さんに成長されて、おどろきました」
ちょっと照れたようにぶっきらぼうにそう言って目線を逸らされた。
なになに? 私を見てそんなに照れられると、ちょっと期待してしまうわ
「ありがとうございます。
今日はお父様位の方からばかり誉めて頂きましたが、やっぱり素敵な男性に誉めていただける方が嬉しいですわ」
少しくらいアピールしてもいいかな?
「こいつも僕と一緒で婚約相手もいない、独り者なんだ」
!
婚約者いないんだー やった!
年齢を考えるともしや結婚されていたらどうしようって考えていたんだ。
2人とも年齢を考えると貴族としては珍しい事なんですよね。
ウォル兄様の場合は早くから決まっていた婚約者が不慮の事故で亡くなられてしまったのだ。
家が決めた話だったけど、小さい時から2人は仲がよくて、とてもお似合いの婚約者同士だった。
それだけに一時期ウォル兄様は塞ぎ込んでいたのだ。
やっと心の傷は癒えてきたけど、新しい縁談に首を縦に振ることはなかった。
お父様も今は見守っている。
もうちょっと様子をみてくれるらしい。




