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王妃様の部屋で

部屋に入った瞬間私は抱きしめらてしまった。

「アンジェ、ごめんなさい。本当にごめんなさい。

私の配慮が足りなかったわ。

全て私が悪いの本当にごめんなさい」

涙目で謝る王妃様。


「お、王妃様…」

私はいきなりの事でびっくりした。

いくら普段から普通より親しくして頂いていたとはいえ、こんなに王妃様が近しい存在として私を心配し、ご自分を責めていたなんて考えもしなかった。


「あなたが無事でよかった。

アラン達が間に合わなかったらと思うと気が気ではなかったわ。

もしアンジェに何かあったら、私は死んで詫びるつもりだったの」


「まさか! 王妃様が私ごときの為にそのような事。

冗談でも言わないで下さいまし」


「いいえ、冗談などではないわ。

そのくらい私にとってアンジェは娘のように大切だし、そのせいで甘えもあったのね。

ジュリアスの事を軽く頼んでしまった事を後悔したわ」


「でも、誰もバルバラ様の行動を予測出来たとは思えません。

あれは、予測不能な出来事です。

まさか世間知らずの15、6才の貴族令嬢が人を攻撃するのに町の破落戸を雇うなど誰が考えます?

私達は学校の中だけで事が起きていくものと思っていたのですもの」


「ええ、ええ、私も大人の目の届かない所で起こる事に気をつけてもらいたかった。

最初はそれだけでしたからね。

その後あなた達が報告してくれた事は衝撃的でしたよ。

直ぐに第7部隊を呼んで侯爵家をとことん調べて来るように命を出したくらいにね」

王妃様の言葉に私も頷く。


「そのお陰でアラン様達がバルバラ様を欺いて下さったのですから、私が無事だったのは王妃様のお陰です。

ご自分を責めたりなさらないで下さい」


「もう… あなたには敵わないわ。

ありがとうアンジェ」


ふー やっと手を離して下さいました。


最初抱きしめられ、その後もズーと腕を抱かれたり、手を握られて離して下さらなかったのです。


やっと王妃様も落ち着きを取り戻した様子です。

最初から疲れ果てましたが、お茶を頂いて私も落ち着きたいです。


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