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お見舞い

「そうですか、王妃様はそんな事を」


「バルバラ嬢の処罰はもう決まったようだし、オードラン侯爵も拘束されているらしい。

王妃様はアンジェが元気になったら直接謝りたいおっしゃっていた」

とヴォルフ様が教えてくれました。


「謝罪なんて、王妃様の所為ではないのに。

むしろ王妃様にもご心配をおかけしてしまったし、私も報告しに行かなければと思っていました」


「そうか。

でも、もう少し体を休めてからだよ。後2、3日はゆったり家にいること。

分かった?

これはお父上である侯爵も同意見だからね」

何だか厳しい顔で言われてしまったので、頷くしかありませんでした。

今度の事は皆に心配を掛けてしまったから大人しく言う事を聞くつもりです。


でも、ちょっと退屈だなぁと思っていたら、アンヌリーブ様とクラリッサがお見舞いに来てくれました。


「アンジェ! ああ 無事で本当によかった」

アンヌリーブ様がそう言って部屋に入って来るなり、抱き付いて来ました。

さらにクラリッサも。


「昨日アンヌから話を聞いた時には心臓が止まるかと思いましたわ」

とクラリッサも涙目で言います。


アンヌリーブ様がお城で王妃様から直に私の話を聞いたそうです。

「本当は皆あなたの顔を見たいと言っていたの。

でも、大勢で訪ねるとあなたの家にも迷惑だから、私とクラリッサが代表してお見舞いに来たのよ」

と説明してくれました。


「2人ともありがとう、もう大丈夫なのよ。

本当は今日からでも学校へ行くつもりだったの。

でも、お父様とヴォルフ様からお許しが出なくて。

今回は心配掛けちゃったから大人しく言う通りにしているの」


「あなたの顔を早く見せてほしいけれど、お父様達の気持ちも分かるわ。

精神的にも負担は大きかった筈だもの」

と青い顔をしてアンヌリーブ様が言います。

もしかしたら昔の経験を思い出してしまったのかしら?

彼女がこの国に来る事になったきっかけは、クーデターを起こした兄の手の者に拘束されそうになったところをライアン殿下に助けられたからですものね。


私はアンヌリーブ様の手を取ります。

しっかり握り返してくれるアンヌリーブ様を見て私は笑いかける。


「アンヌありがとう。

もう大丈夫よ。 皆に心配してもらって、支えてもらって私は幸せ者ね」


こうやって直ぐに駆け付けてくれる友達がいる事が嬉しかった。


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