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私の中の怒り

「なによ。何とか言いなさいよ」

さらに詰め寄られる。


「あら? アンジェリーナ様ったら震えているの? かわいそう~

あはははははは いい気味だわ」

とても楽しそうに笑い出したバルバラ様を見て何とも言えない気持ちになった。 


この人は相手より有利な立場を作り、こうやって人を脅したり貶めて自分を現実以上に大きく見せて言うか事を聞かせ、自分の自尊心も満足させていたのだろう。


今までもミレーヌ様やノエラ様相手にこうやって、己の不満を満足しせていたのね。


「おろかな…」

私は怒りと呆れで、一瞬芽生えた恐怖も落ち着いて震えも止まりました。


「なんですって?」

私の小さな呟きを耳にして、バルバラ様が凶悪な顔を向けてきました。


ちょっとだけ、しまったなと思ったけど、何だかこのあまりにも自分勝手で考え方の幼い令嬢に対して怒りが勝ってしまった。


私はこの後私に襲いかかって来るであろうバルバラ様に対して覚悟を決めて身構えた。


しかし私に掴みかかろうとしたバルバラ様を後ろから止めた人がいました。


私は目の前でバルバラ様を羽交い締めにしている、あのリーダーの男をまじまじと見てしまった。


「はい、そこまで。しっかり証拠も証言も取れたので、あなたを拘束させてもらいます」


「へ?」

私は変な声をあげてしまう程状況が呑み込めていません。


「ちょっと! なにするのよ。

離しなさい! 離せ!」

バルバラ様が暴れます。


「そう言う訳にはいかない。

アンジェリーナ様、手伝って下さい」


「え? は、はい!」


私は言われるままに手伝い、この男のポケットから、薬の染み込んだハンカチを取り出してバルバラ様の顔に当てます。


大きな声をあげていた分バルバラ様はしっかり薬を吸い込み直ぐに大人しくなりました。


「アンジェリーナ様、ご無礼を働き申し訳ありません」

リーダーの男が私の前に膝を折り頭を下げた。



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