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アンジェの危機

ジュリアス殿下の専用サロンに集まり、ノエラ様に会って話を聞いた報告をしました。


「ジュリアス様、ミレーヌ様からノエラ様の話は聞いた事ありますか?」

私はジュリアス殿下にミレーヌ様の様子を聞いてみました。


「いいえ。

ミレーヌ嬢は学校に行く気持ちを聞いたり、3人に関係している事を聞いたりしても、すぐ話を逸らすのです。

彼女達3人の話は最初にオレリア嬢達と話を聞いた時以外口にしません」


「そうですか。なんとかミレーヌ様とノエラ様を昔の様な仲に戻して差し上げたいと思います。

それがきっとミレーヌ様を学校へ来させる事に繋がると思うのです」

と私の考えを伝える。


「話を聞いていると、2人とも嫌っている訳でもなくお互いを思い合っているだけですもの。

何かきっかけがあれば変わりそうですわよね?」

オレリア様がそう言ってくれました。


「やはりバルバラ嬢がカギを握るのかなぁ」

とケビン様が言います。


「結局、そこですわね」

とリゼット様もケビン様に同意しています。


「母上がオードラン侯爵と、バルバラ嬢を別々の角度やルートから調べ始めているらしいけど、詳しい事は教えて貰えないんだ」

とジュリアス様がちょっとふてくされた様に言います。


そう言う態度がまだまだ幼く見えます。

この所ミレーヌ様の事でしっかりしてきて成長を感じたんだけどな。



結局話の結論は出る事もなく、お開きになりました。


今日はヴォルフ様との、約束の日です。

早く帰りましょう。


私は馬車に乗り込み帰路につきます。


学校から街中を抜けて自宅へ向かう並木道に差し掛かった時、何やら外が騒がしくなりました。


「どうしたの?」

私は御者に話し掛けます。

「お嬢様、ガラの悪い男達が待ち伏せしてます。

囲まれました」


「ええ?!」


どう言うことでしょう?


侯爵家の馬車だと分かっていてそんな事を?

王都でこんな話は聞いた事ありません。


「どけ!」


「わぁ!何をする!

ラフォール侯爵家の馬車と知っての狼藉か?」


「ふん、あたりまえだろ。

報酬を奮発してもらったからな。

仕事はきっちり片付けるさ」


仕事? 報酬?

誰かが私を襲わせたって事?



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