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マルティ侯爵家へ

「アンジェ、ノエラ様と会える事になりましたよ」

学校へ行くとクラリッサがやって来てこっそり耳打ちされました。


「本当ですか?」

もっと時間が掛かると思っていたのに、思ったより早くて驚きました。

それだけ、クラリッサが頑張ってくれたのでしょう。


「ええ、もしアンジェの予定が大丈夫なら、今日の午後にでも動けますわ」


なんと!

繋ぎを付けてくれたのも早かったけど、今日すぐに動けるなんて。


「もう!クラリッサったら、最高ですわ」

とクラリッサに飛び付いてしまいました。


「ちょっ! アンジェ、教室でそれは不味いですわよ!」

とクラリッサが顔を真っ赤にして嗜めて来ます。



「ごめんなさい。

だってクラリッサったら、凄すぎですよ」

と私が興奮していると。

「ふふふ、アンジェのそんな姿初めてですわ。

それが見られただけでも、頑張った甲斐がありましたわ」

と、言われました。


クラリッサったら、カッコ良すぎます。


私は二つ返事で午後にノエラ様に会いに行く事にしました。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


マルティ侯爵家には私とクラリッサ。

それとノエラ様の従兄弟のバンテール伯爵令息のクライヴ様と3人で行く事にしました。


ノエラ様が落ち込んでいる様なのであまり大人数で押し掛けるのは、やめました。



玄関でマルティ侯爵夫人が出迎えてくれます。


「ラフォール侯爵令嬢、バートン侯爵令嬢ようこそお出でくださいました。

この度は娘ノエラがご迷惑をお掛けして申し訳ございません。

クライヴも心配してくれてありがとう」

マルティ侯爵夫人は何度も私達に謝りとても恐縮されています。


「マルティ侯爵夫人どうぞ、お気になさらず。

謹慎が明けたのにずっとお休みされているノエラ様をお見舞いに来ただけですから。

もし、何か学校に来れないような悩みがあるなら、お力になりたかっただけですのよ」

私がマルティ侯爵夫人を宥めると、やっと安堵されてノエラ様の元へ案内してくれました。


どうやら、ノエラ様は日当たりのよいサロンでお待ちのようです。


夫人に案内されて、サロンへ入って行くと、緊張の面持ちで待っているノエラ様が立ち上がりました。

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