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嵐は去った

バルバラ様は顔面蒼白でぶるぶると震え出しました。


バルバラ様には選ばないと言われた事、抗議文を送る事どちらがよりショックだったのでしょうね。


「お‥おゆ…お許し下さい。

わ‥わたし…の勘違いです」

深々と頭を下げて、逃げるように食堂を出ていかれました。


「「ふー」」「はー」「「ふー」」

「やれやれ」

皆さんそれぞれに緊張の糸が切れた瞬間です。


周りの人も緊張感から解放されたようで、またざわめいている食堂が戻ってきます。


先ほどバルバラ様がテーブルを叩いた時から、時が止まったように皆シーンとしてこちらを窺っていたのですもの。伺うは敬語!

また新たな噂が立ちそうですね。


「皆さんありがとうございました」

ほっとしたアンヌリーブ様がお礼をいいます。


「何事もなく、よかったですわ

凄い勢いでしたものね」

とリゼット様がアンヌリーブ様の横で手を取って言います。


バルバラ様がいる間、リゼット様はずっとアンヌリーブ様を庇っていてくれました。


「本当にそうですわ。先程大声を出されたバルバラ様の様子は手負いの獣のようでしたわ。

何をするか分からない状態に見えましたもの」とオレリア様も私の肩に手をおいて気遣ってくれます。



「ジュリアス様もありがとうございます。殿下の毅然とした態度は素晴らしかったです」と私が言うとちょっと照れてますね。


「た、大した事ではありませんよ」


「あの様子なら、少しは懲りてくれますかね」とケビン様がバルバラ様が出ていかれた入り口を見ながら言います。



「いや、釘は刺しておきましょう。

先程言ったように、私は侯爵家に抗議します。

私が何もしないと高を括っているようだから」と今までに見たこともないようなジュリアス様の厳しい顔です。


殿下の提案に皆が賛成して、やっとお昼を食べる事にしましたが、ここでは落ち着かないと言うことになり、専用サロンに移動する事にしました。


今日はこの後授業は選択授業ですし、皆でゆっくりしましょうか。


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