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食堂でのひと悶着

鳥なら射殺せそうなくらいの鋭い視線を向けながら、やって来たバルバラ様。

私達は目線は外しながら気にも止めてない振りで待ち構えていました。


「アンジェリーナ様、アンヌリーブ様。

少しお時間よろしいでしょうか?」

ジュリアス様に話し掛けている時よりトーンの落ちた低い声を出しているバルバラ様。

その声だけでも、十分にケンカする気かと思ってしまいます。



「あら? ごきげんようバルバラ様。お休みと聞いていたので心配していましたのよ」

と素知らぬ振りを通します。


「私が謹慎していた事もご存知なのね。

その休みの間に妙な噂が広まっている様なので、お聞きしたいのですわ」


「妙な噂ですか?」

私はあくまで惚けます。


「まぁ! 惚けないで下さいな。

なぜ殿下のお妃選びをアンジェリーナ様達がなさるのです?

どこにそんな権利があるんてすか?」

どんどん声を大きくしていくバルバラ様。

何だか興奮してきていて、危機感を覚えます。


「権利と言うより、王妃命ですからしょうがありませんわ。

私達だってやりたい訳ではありませんもの」


「そんな訳ないでしょ!」

バン!!

バルバラ様はテーブルを叩きます。


私はとっさにアンヌリーブ様を後ろに庇います。


「何事だ」

そこにジュリアス殿下達が到着して、バルバラ様のそばに立ち鋭い視線を送ります。


殿下とは逆側にジェームス様達が立ち、何かあれば止めようと身構えています。


オレリア様とリゼット様は私達の横に来てくれました。


「随分と乱暴な… あなたはそれでも貴族令嬢か?

恥を知れ」

またもやジュリアス様らしからぬ、鋭い指摘。


「わ、私はただアンジェリーナ様が嘘ばかりおっしゃるから…」

ばつの悪そうな顔で言います。



「話は聞こえましたわ。

はじめまして私はオレリア・カスタニエ。

公爵令嬢ですわ

こちらはリゼット・ルエル公爵令嬢。

私達2人とアンヌリーブ様、アンジェリーナ様は王妃様よりこの役目を承ったのですわ。

一介の侯爵令嬢に嘘つき呼ばわりされる謂れはありませんのよ」

と貫禄のオレリア様の言葉です。


「公爵… で、では本当に皆さんがお妃の選考をなさるのですか?」

さすがに公爵令嬢にまで楯突けないと思ったのか、少しトーンダウンしたバルバラ様は最後の念を押します。


「昨日私が言ったことを疑っているのか?

本当に失礼な人だな」

とまたまたジュリアス殿下が冷たく言い放ちます。


「っ! そ、そんなつもりは…」


「安心しろ。 間違ってもあなたは選ばない。 これ以上我々に言い掛かりを付けるなら、侯爵家に抗議文を送る事になるが?」


「そ、そんな…」

バルバラ様は顔面蒼白で立ち尽くしています。

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