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ノエラ

次の日の朝クラリッサがいつものようにやって来ます。


「アンジェおはようございます。

ノエラ様の事なのですが、ちょっと気にかかる話が入って来たのですけど」


「おはようございますクラリッサ。

詳しく聞かせて下さい」


クラリッサが教えてくれた話は侯爵令嬢としていつも3人で一緒にいるけれども、3人の間は対等ではなく、どうも序列がありノエラ様は二人の使い走りをさせられているらしいと言う事なのです。


本当はノエラ様自身も2人と離れたいけれど、1人ぼっちは嫌だし下手な別れ方をしたら今度は自分がミレーヌ様の様な扱いを受ける。

それも嫌だから、あえて今の状態に甘んじているらしいのです。


ミレーヌ様の様に物を取られたり、嫌みを言われたり罵倒されたりするより使い走りのがマシだとでも言うのかしら?

そんなのどちらも駄目でしょう。

理解に苦しみます。


「今、学校に来ていないのも、家からはもう下手な事はしてくれるなと言われているけれど、2人に誘われたら断れないからじゃないかって」


「なるほど。でもだからと言っていつまでも休んでいられないでしょ?」


「そうなの、本人も相当悩んでいるみたいよ。

ノエラ様の従兄弟が兄と友達だったのよ。その従兄弟がノエラ様に相談されたみたい」


学校に来ていないノエラ様の話を何処から聞いてきたのかと不思議だったけど、そう言うことだったのね。


「ねぇ、クラリッサ。

バルバラ様達に気づかれないように、ノエラ様と会えないかしら?」


「そうね…

2、3日時間をくれる?

その従兄弟経由で話をしてみるから」

クラリッサは少し考えて請け負ってくれました。


「ええ、もちろん。

ありがとうクラリッサ」

本当に頼りになりますね。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




さて、今日はジュリアス様達と食堂に行くことにしました。


私とアンヌは先に食堂へ行って席を確保することにしました。


皆が来るまでに、ノエラ様の話をアンヌにも話します。


「使い走りって… あの人達は友達ではないのね」

確かにそんな友達関係は嫌ですよね。


前世のヤンキーや不良じゃあるまいし、パシリなんてね。


そんな事を小声で話していたら、入り口で凄い顔したバルバラ様達がキョロキョロと何かを探しています。


何となく見ているとあちらも気がついたのか、ハッとしたバルバラ様がずんずんと歩いてきます。

あら? 私に用だったのかしら?


なんだか怖い顔で凄い勢いです。

殴られないようにしないといけないかしら?

それよりアンヌを守らないとね、何て考えていたら、アンヌも気付いたようです。


「アンジェ、あの人はここを目指していますよね?」


「ええアンヌ、気をつけて下さいね」

と、2人で緊張感を持って待ち構えます。


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