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いざ、報告です

「教科書をですか?」

アンヌリーブ様が驚いて聞き返すと。


「ええ、入学式の時バルバラ様達に因縁を付けられた時にもう学校へはいらっしゃらないのだから、これはいらないでしょ?と取り上げられたとか…」

とため息混じりにオレリア様がいいます。


まさか、そこまでするとは…。

これはミレーヌ様を排除したかっただけではなく、悪意を向けた嫌がらせだ。


まったく、どこまで性格の曲がった傲慢な人達かしら。

そんな人が国母になれる訳がないのに。


「それを聞いていたジュリアス殿下が声を荒げられたのです。

あなたはそれでいいのですか?って。

公爵に言って3人の家に苦情を申し出ようと言われましたが、ミレーヌはそれは必要ないと言うのです」

とリゼット様が話を引き継ぎます。


「まぁ、ジュリアス様が声を荒げるなんて… 穏やかすぎて女の子みたいと王妃様に言われるくらいなのに」とアンヌリーブ様が驚きます。


「私達も驚きましたわ、でも自分の事のように怒っている殿下を見てとても好感が持てましたの。

なかなか微笑ましい光景でしたわ。

だから、先程の殿下の毅然とした態度はそこから来ていると思います」

とオレリア様が先程の様子の理由を教えてくれました。


「そうだったのですか」

何となく理解できました。

ジュリアス様は自分に振りかかっている迷惑行為なら、我慢してしまう事もあったと思います。

でも、人が困っていたり理不尽な目にあっているのは見過ごせなかったのでしょう。

相変わらず優しくて正義感が強い自慢の弟ですね。


「でも… なぜミレーヌ様はその事を黙っていたのですか?」

アンヌリーブ様が疑問を口にします。


「どうもこれまでも同じような事はあったみたいなんです。

リボンやアクセサリーを取りられたり、プレゼントをねだられたり。

だからもう慣れっこだし、あの人達に言っても無駄だとよくわかっているからって」

とリゼット様が理由を教えてくれました。


「え? まさかもっと前からずっとその様な行いをされていたのですか?

公爵令嬢相手に?」

私は呆れ返ってしまいました。


「アンジェリーナ様もそう思いますでしょ?

肩書きは侯爵令嬢とは言え、男爵家にも劣るようなひどい有り様。

これは王妃様に報告する案件ですわ」

とオレリア様は憤慨しています。


「そうですね… アンヌ今日城へ帰ったら王妃様に面会の申請をお願いしてもいいですか?」

私はアンヌリーブ様にお願いをします。


「もちろんです、面会日は明日でよろしいですか?

私達4人で面会ですわよね?」

と打てば響くように理解してくれました。


「オレリア様それでよろしいですか?」と2人にも確認します。


「「はい」」

2人とも即答です。


「では、明日ここまでの話を報告いたしましょう。

出来ればバルバラ様達の侯爵家も調べていただきたいですよね」

ここまで酷ければ、家自体にも問題ありと考えるべきです。


私達は報告する内容のすり合わせに入りました。

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