報告会(2)
「バルバラ様達の家以外は常識があって良かったわ」
と私は報告を聞いての感想を漏らしました。
「そもそも、あの子達は周りに流されやすいみたいね。
同年代にわがまま放題のバルバラ様達がいるから、いつもお茶や子供達の集まりで、あれを見てきているの。
大人もあまり強く咎めないから、深く考えずこのくらい大丈夫だと思っていたでしょうね。
周りの大人はまだ子供だからしょうがないとか、親である侯爵が言わないから文句を言いにくいとか、いろいろ大人の事情があったの。
それに学校に行くようになれば、嫌でも矯正されていくでしょ?
そこに期待していたのに、この騒ぎだもの」
とクラリッサが肩を竦め、お手上げと言うような素振りをします。
「今回、最高学年の公爵令嬢が出てきて、自分の娘が面と向かって咎められたんだもの。
親は慌てたでしょうね」
とエミリーも言います。
「伯爵家だって、多くの家では幼い時からある程度の貴族の常識と礼儀作法は叩き込むわ。
だけど自分達よりちゃんとしていなければいけない侯爵令嬢があれですもの。
困惑するわよね」
とキャロルが言います。
「それから、ノエラ様の家では今回の謹慎騒ぎで、お母様のマルティ侯爵夫人が学校に入ったばかりで何をしているのだと随分お怒りの様ですわ。
夫であるマルティ侯爵様にもあなたが娘を煽るからこの様な事になる。
バカな夢を見るのはおよしなさいと叱責されたみたいですわ。
ノエラ様の所はお母様の方が常識人だし、頭の良い方で彼女のお陰で侯爵家の領地経営も上手くいっているらしいです。旦那様も頭が上がらないのですわ」
とクラリッサが細かな家の事情まで披露してくれた。
「まあ、では明日のノエラ様の行動が気になりますね」
とアンヌリーブ様が言いました。
私も同じように思っていた。
「確かに、3人でいるからこそ強気でいられる所もありますよね…
3人がバラバラになってくれればもっと大人しいかもしれないわね。
先ずは1人でも離脱してくれれば、やりやすいわ」
「確かに、そうですね。
いつも3人で来られて本当に騒がしかったから」
とジェームス様。
「それに、ノエラ様って黒髪の子でしょ?あの子が1番口数も少ないしどこか仕方なく一緒にいるようにも見えてたから、無理に2人と合わせていたかもしれないよ」
とケビン様が言います。
ケビン様は結構人を観察するのが上手いのかもしれません。
明日は私もノエラ様を観察してみましょう。




