今日は二手に別れます
昨日オレリア様が公爵家へ急ぎ行ってくれたので、すぐに返事をもらえました。
公爵様はオレリア様からバルバラ様達の話を聞いて、とても憤慨していたようです。
それはそうですよね。侯爵令嬢が格上の公爵令嬢を軽んじて、蔑ろにするなんて。
ミレーヌ様のお母様である公爵夫人は一向に学校に行かない娘を心配していたそうで、理由が分かりホッとした後に怒りを顕にしたそうです。
そしてジュリアス殿下の訪問には二つ返事で応じたそうで、ミレーヌ様の事を心配する殿下に感激していたとか。
そして明日にでも是非と次の日の訪問が決まった。
オレリア様、公爵夫婦で話し合いジュリアス殿下の訪問は前もってミレーヌには話さない事に決めたようです。
先に知らせると、どこかへ隠れてしまうのでは、と考えたのですね。
どちらにしろ、今日の午後オレリア様と共にジュリアス殿下は公爵家に向かう事になりました。
殿下の事はオレリア様達に任せて、私とアンヌリーブ様は久しぶりに他の3人と一緒に話をします。
クラリッサだけでなく、2人にもお願いして、学校での噂話の広がり方や、各令嬢の評判など拾い上げてもらっていたので報告会です。
ジュリアス殿下のご好意で王族専用サロンを使わせてもらっています。
ここなら、間違って第三者に聞かれる事もありません。
「何だか久しぶりに皆で集まった気がしますね」
昨日よりリラックスしているアンヌリーブ様がいいます。
やはり気心が知れている友が多いと気分が違うようですね。
「10日位のはずですけど、随分長い間5人でおしゃべりしていない気分でしたわ」とキャロルも言います。
「それだけ私達がいつも一緒にいると言う事ですね」とエミリーがいいます。
「確かに… 私はアンジェの頼まれ事で忙しくしていたから、気が紛れていたけれど、それがなかったらもう限界でしたわ」とクラリッサが私の腕にしがみついてます。
いつもは誰よりも礼儀や振る舞いに厳しいクラリッサですが、私達だけの空間では、甘え上手なかわいい人です。
コンコン、ノックが響くとクラリッサは身を翻して直ぐにいつもの気品をまとい侯爵令嬢に戻りました。
「失礼します。 ジュリアス殿下からの差し入れをお持ちいたしました」
入って来たのは、お茶とお菓子を持った侍従とジェームス様とケビン様です。
「あら、ジェームスだったのね」
と従兄弟のジェームス様を見てクラリッサは脱力してます。
「ありがとうございます お2人もジュリアス様の代わりに一緒に報告を聞いて下さいな」
と私が席に着くように促します。
「アンジェリーナ様 ありがとうございます。 皆さんお邪魔します」
とケビン様が皆に自己紹介を始めました。
ジェームス様も顔見知りですが、一応挨拶してくれました。
また専任のコックさんの美味しいお菓子を、堪能しつつそろそろ話し合いを始めます。
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