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ジュリアスの決意

「ミレーヌはバルバラ達に言われて、学校に行かない事に決めてしまったようです。

ジュリアス殿下と意見交換したり、勉強をしたりしてみたかったけれど、それよりも毎日彼女達に責められる煩わしさを回避する事を選んだのです」


オレリア様がため息と共に言いました。


「多分、あの子が普通の公爵令嬢なら、バルバラ達にそのような態度を取らせなかったと思うし、対処の仕方も違っていたでしょう。

でも、ミレーヌはもともとが1人でいたい子だから…」

リゼット様もいいます。



「そんな事があったのですね」

バルバラ様達はまさかの入学式からそんな事をしていたとは。


「私が声をかけたばかりに、彼女が学校に来れなくなっていたとは…」

ジュリアス殿下が悲痛な顔をします。


「ジュリアス殿下が悔やむ事ではありませんわ。

殿下は自分の学力に見合った仲間を作り、切磋琢磨する権利があります。

それを己の邪な欲望のために邪魔をするなんて貴族令嬢の風上にも置けませんわ」

とオレリア様が格好良く言い切りました。


「そうですよジュリアス様。

オレリア様の言う通りです。

侯爵令嬢が王子の友人関係に口出ししていい訳がありません」

とジェームス様も憤慨しています。



「これはこのまま学長に報告し、3人の家にもジュリアス様の名前で抗議しましょう」ケビン様も言います。


「待ってください。

あの3人が学長から言われたからと言って大人しくなるとは思えません。

それにあそこの家は親も一緒になって煽っている節があります」

私は懸念を口にします。


「それにこのままこの事実について抗議すると、ミレーヌ様が告げ口したような形になり、またあの3人の八つ当たりがミレーヌ様にいってしまうかもしれません」



「そうね、確かにその可能性はありますね」

リゼット様も同意してくれます。



「なので、先ずは何とかミレーヌ様に学校へ出てきてもらって、そこからバルバラ様達の暴挙の証拠を掴みたいと思うのですが」



「でも、ミレーヌを説得するのはなかなか大変な気がしますわ」

とオレリア様が困惑気味です。


「私がミレーヌ嬢の所へ行きます。

先ずは学校ではなく彼女の家で話をしてお互いの理解を深めます。

オレリア嬢、私をダンテール家へお連れください」

とジュリアス様が言い出しました。


「まるでお見合い相手に対してみたいですね」とケビン様がボソッと言いました。


それを聞いてジュリアス様が顔を真っ赤にしました。

「そ、そんなつもりで言っていないぞ」


私とオレリア様はまた顔を合わせて、何となく笑ってしまいました。

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