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宣言

「いい機会なので、皆さんにもお知らせしておきます。

私達は王妃様ならびに王宮機関より依頼を受けて、ジュリアス殿下の妃選考においての助言を求められております。

この意味は大人の目の届かない学校内での候補になり得る令嬢達の素行、言動などを見極める役目を拝命されたと言うことです」

とオレリア様がよく通る声で宣言しました。


「高位貴族家に生まれた令嬢たるもの常に回りに気を配り、気品や優美さを損なわず、矜持をもって日々お暮らしでしょうから、私達がいろいろ指摘するような事はないと、王妃様には言いましたのよ。

それでも優劣をつけ、この中で一番ふさわしい方を推奨してほしいと言われますの」

といろいろ嫌味にも取れるような最もな事をリゼット様はおっしゃり、続けて私達を見つけた様子で。


「あちらにいらっしゃるラフォール侯爵令嬢とアンヌリーブ王女殿下も同様にこの役に着いておりますの」

とリゼット様が観衆の間からこっそり伺っていた私達に矛先を向けました。


私とアンヌリーブ様はゆっくり皆さまの所まで歩いて行きました。


「ア、アンジェリーナ様…」

さっきまで私に対しての愚痴を言っていた令嬢がバツが悪そうに呟きますが、私は視線も合わせずに、オレリア様達に向けて口を開きます。


「オレリア様、リゼット様テラス席を確保いたしました。

そろそろ移動しませんと、お昼休みが終わってしまいますわ」



「あら? いけない。

つい話が長くなってしまったわ。

ジュリアス様、そろそろ行きましょうか」

オレリア様がジュリアス様に同意を求めます。


「そうですね。 ではもういいですか? みなさん」

ジュリアス様はまとわりついた令嬢達を見回すと踵を返した。


「皆さまの事はこれから確りと見定めさせて頂きますので、ご理解下さいな」

そうオレリア様は言って、ジュリアス様の後に続きます。



その場に残された令嬢達は、今、言われた言葉を思い出し考えているみたいです。


そして回りで見ていた生徒たちも、今見聞きした内容を話し合い確認している様です。


これで明日には学校中の噂になっている事でしょう。

ジュリアス殿下のお妃候補の選考も公の事になってしまったけど、仕方がないわよね。

今や学校の秩序が崩壊しそうだもの。



これで、3日後にバルバラ様が出てくる頃には他の令嬢達は皆回りの目を気にして、気品ある貴族令嬢になろうと頑張るでしょう。


だって、誰がオレリア様たちに自分の事を吹聴するか分からないですものね。


これで殿下の周りが静かになればいいのだけれど…

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