王都に戻ります
早いもので、辺境伯領へ来て1ヶ月半が経ちました。
もうそろそろ王都に戻る事を考えないといけません。
こちらでの生活はとても充実して、楽しいものでした。
きっと何年か後にここへ戻って来て正式に住むようになっても、不安はなさそうです。
邸で働く人達とも仲良くなったし、スターレン家の人達にはもう家族として迎え入れてもらえている。
ニーナ様はあれから何度も訪ねて来られて、とても仲良くなった。
ニーナ様はお庭を手掛けるくらいガーデニングに興味のある方だし、アンジェリーナとも話が合う。
私もアンジェリーナの知識を伝授されて、園芸部で植物にふれあううちに何だか楽しくなってきたしね。
私達は将来義理の姉妹になる。
気が合って仲良くできるに越したことはない。
ニーナ様の勘違い事件のお陰でヴォルフ様とはますます仲良くなれたし、信頼関係も増した気がする。
だって、1週間後に私とお母様は王都に戻ろうかと話をしていたところに、ヴォルフ様がやって来て自分も一緒に戻ると言う。
「ヴォルフ様よろしいのですか?
お仕事があるのでは?」
「いや、王都のタウンハウスの修繕も終わる頃だから、アンジェ達を送りながら確認して来いと父上に言われたんだ。
まあ、言われなくても頼むつもりでいたけどね。
大事な婚約者を送って行く役を他の者になんて任せられないだろ?」
と言われます。
もう、どれだけ過保護なのかしら?
うれしいけど、ちょっと気恥ずかしいのよね。
あの時の「私のが君と離れられなくなりそうだ」って言う言葉通りにヴォルフ様が一緒にいてくれるのね。
まずい… 思い出してしまった。
キスした時の事… ジタバタしたくなる。
と、取りあえず記憶をしまって、落ち着け私。
そ、そんな訳で1週間後、王都に戻ります。




