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私、変わりました?

その日の晩餐の時間に改めておじ様から、皆にマリウス様とニーナ様の婚約が決まったと報告されました。


私が呆けているうちに、マリウス様とニーナ様はおじ様達に婚約したいと願い出ていたようです。

お二人とも大変な喜びようで、二つ返事で承諾したとか。


そんな場にいたのに… 全く覚えてない。

ヴォルフ様によると私は始終ニコニコしていたようで、ニーナ様に話しかけられても、「はい」としか言わず、ヴォルフ様がフォローしてくれたみたいで… すいません、迷惑をかけて。


「ヴォルフに続き、マリウスも相手が決まってよかったわ。

これで肩の荷が下りました」

とエリノア様が嬉しそうです。


「それよりもアンジェ聞いたわよ。

なぜ私達に言ってくれなかったの?」


私はヴォルフ様とマリウス様を見ます。

「もう誤解も解けたし、もともと母上もカミラ様もアンジェの様子がおかしいと思っていたのだから、ちゃんと説明しないと反対に心配させるだろ?」

とヴォルフ様に言われました。


「そうですね… エリノア様、お母様ご心配をお掛けしてすいません」


「もう家族になったようなものなんだから、何でも言ってちょうだい。

反対に心配よ。

1人で悩むなんて、寂しすぎるわ」とエリノア様が悲しそうに微笑まれました。


「まったく、あなたは昔から何でも自分で解決しようとして。

これからはヴォルフ様やエリノア様に相談して頼る事を覚えなさい」

そうお母様にも言われてしまった。


「それに、アンジェは上手く隠しているつもりらしいけど、全て顔に出ているんだから、言わなくても皆変だって分かるわよ」と付け足される。


え? 王妃教育の時には感情を顔に出すな、いつでも微笑み威厳を保て。と言われて能面のように常に表情を一定に保っていた私が?

顔に出まくっているなんて… 

嘘でしょ?


「顔に出ていた? そんなにですか?」

そう聞くと、皆キョトンとしている。


仕方なく王妃教育の話をする。


「いつも表情豊かに笑っている君が能面のようだったなんて意外だね」

とおじ様


「へー そんな素直に顔に出しているアンジェリーナ嬢がそんな器用な事出来たのかい?」

とマリウス様まで。


「そう言えば、再会した頃のアンジェに比べて今はコロコロ表情が変わっていつも楽しそうだな」

とヴォルフ様も言います。


「ぷっ、アンジェったらあなた自分が変わったことに気が付いてないのね。

王子殿下の婚約者だった頃のあなたと今のあなたは別人な位違うわよ」

とお母様まで言います。


自分の事って、分かっているつもりでも、1番分かっていないのかもしれませんね。

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