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2人の気持ち

「アンジェリーナ様が謝ることなど何もありませんわ 

私が勝手に勘違いしたのが、悪いのです」


ニーナ様はマリウス様が初恋で、いつか彼のもとへ嫁ぐ事を夢見て花嫁修業をするために学校へ通っていたそうです。

少し前に、父親にマリウス様が領地の為に卒業後も隣国の研究施設に留まる事になりそうだと聞いて、彼がスターレン領を継ぐと思ったそうでそれでマリウス様が次期当主になると疑わなず私と婚約したのだと思い込んでしまったと。

でも、ずっと自分が選ばれると思っていたから諦めきれず私に会いに来てしまったそうだ。



「何か約束を交わした訳ではないのです。

今回の事で私が勝手にそう思っていただけで、マリウス様と私の間には何の繋がりもなかったのだと思いしらされました。

全て、私の思い込みであったのです。

この数日自分の愚かさを思いしらされた日々でした」


私はハンカチを出してニーナ様の涙を拭います。

ニーナ様は話をしながら、涙が溢れてしまっていました。


「ニーナ様は愚かでも何でもありません。

ただ一途に想いを寄せた相手がいただけの事でしょう?

大丈夫。 きっと想いは繋がっています」


私はそう言って後ろを振り返ります。

「ね、 マリウス様」


後ろにやって来ていた。マリウス様に声をかけます。


マリウス様は苦笑いを浮かべて私を見ながら近くまで来ました。


「アンジェリーナ嬢にはかなわないな。本当にいろいろお世話になりっぱなしで、姉上になったら頭が上がらなくなりそうだ」

そう言った後、ニーナ様に向き直ります。


「ニーナ 今まで僕も身近にいすぎて、その関係に甘えていたと思う。

今回の事で僕も君の事をしっかり意識したよ。

ニーナ、僕と一緒になってくれるかい?

君に受け入れてもらえたら、この足でおじ様に正式に婚約の申し込みに行くよ」


マリウス様のこの言葉でニーナ様の涙腺は決壊してしまったようです。


涙が止めどなく出るなかで、何とか声をだし

「は‥い…」コクコクと頷いています。


私はそっとその場を離れました。




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